スポーツメンタルコーチ上杉亮平
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遊び心という余白──真剣すぎる自分をやさしくほどく方法

 

定期的に自分を見直す時間をつくっているんですが、先日ふとした瞬間に「自分って生真面目だなぁ」って感じた。

 

それは、自己紹介を兼ねて、15個の質問に答えるというもの。

一つひとつの問いに向き合い、丁寧に答えたつもりだったけれど、書き終えて振り返ってみると、どこか堅苦しい。

文章だけでなく、普段の行動にも“生真面目さ”がにじみ出ているように感じた。

 

もちろん、真面目であることは悪いことではないとおもっている。

むしろ、この仕事が好きだからこそ、つい真剣になりすぎてしまう。

 

「優れるな、異なれ」と発信している自分がいる一方で、気づけば“優れようとする自分”が前に出てしまう。

そんな矛盾に、少しだけ苦しさも感じました。

 

そんな中で、成功している人ほど“遊び”を大切にしているという話をよく聞きます。それに比べて、今の自分はどうだろうと考えたとき、遊び心が少し置き去りになっている気がしたんです。

 

“遊び”を大切にした方が良い科学的根拠

ジャンルは違えど、成功している経営者やクリエイターの多くが「遊び」を大切にしているという話をよく耳にします。なぜそういう方々が成功するのか調べてみると、遊びが脳の創造性を最大限に引き出すとされている

意識してやっていた訳ではないと思うけれど、結果的に科学的にも理にかなっていたということですね。

 

脳科学の研究では
  1. 遊び心があるとき、脳の“デフォルトモードネットワーク”が活性化する

 

  1. このネットワークは創造性・発想力・ひらめきに深く関わる

 

  1. 遊びはストレスを下げ、注意力や集中力を回復させる

 

  1. 遊びのある状態は、学習効率を高める

 

といったことが明らかになっています。

 

つまり、遊び心は単なる“息抜き”ではなく、 脳を最も良い状態に整えるためのスイッチになっているということ。

真剣に取り組むためにも、遊びが必要。 これは競技者にも、ビジネスパーソンにも、誰にとっても共通する真理だと思います。

 

いきなり趣味を見つける必要はない

とはいえ、遊び心を取り戻すために「新しい趣味を見つけよう!」と意気込むと、それはそれでハードルが高いと感じたので、そこで思いついたのが、 普段あまり手に取らない“絵本”を読んでみようと。

絵本なら、そこまで準備もいらない。 時間もかからない。

そして何より、子どもの頃の“遊び心”に一番近い場所なのかなと、、、。

 
 

最初に選んだ絵本は「サンタさんはどうやってえんとつをおりるの?」

という事で早速絵本にチャレンジ。

 

この時期にぴったりだと思い、手に取ったのがこちらの絵本でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ページをめくるたびに、想像力がかき立てられる。

 

大人になると理屈っぽくなりがちだけど、絵本の世界はそんな理屈を軽々と飛び越えていきます。

 

純粋に面白い、どこかワクワクしてしまう。

 

ぶっ飛んでいるからこそ楽しい。

 

その“ぶっ飛び”が、心の奥に眠っていた遊び心を揺さぶってくれる。

 

気楽に楽しみながらも、発想が磨かれていくような感覚がありました。

 

気づけば、絵本を衝動買いしていました(笑)

 

遊び心は“感性”を育てる

絵本を読んでいて強く感じたのは、遊び心は感性を育ててくれるということでした。

 

感性が育つと、世界の見え方が少しずつ変わっていくような感じ。

 

これまで気づかなかった景色が目に入るようになったり、発想がふっと柔らかくなったり、無駄な事を考えず没頭できる感覚。

そうすると、人の気持ちにも自然と気づきやすくなるような気がしました。

 

こうした変化は、日常のあらゆる場面で確かにプラスに働いてくれる。

遊び心があるだけで、心の奥に眠っていた感性が少しずつ目を覚まし、世界の輪郭が柔らかくなるような感覚がありました。

 

真剣に取り組むことはもちろん大切。

ただ真剣になりすぎると視野が狭くなり、心も身体も硬くなってしまう。

 

遊び心が少しでもあると、肩の力が抜けて、状況の見え方が柔らかくなったり、プレッシャーに押されそうな場面でも、どこか余裕が生まれる。

すると、新しい発想が浮かんだり、自分の心と身体の状態にも気づきやすくなると実感。

 

 

競技者こそ遊び心を大切にしてほしい

私がこのコラムで一番伝えたいのはここです。

そして、この“遊び心が育てる感性”は、競技の世界にも同じように例えられると思っています。

 

競技は真剣に取り組むものですが、真剣になりすぎると視野が狭くなり、心も身体も硬くなってしまうことがあります。

 

自分を必要以上に追い込み、パフォーマンスが本来の力から遠ざかってしまうこともある。

 

そんなときに遊び心が少しでもあると、肩の力が抜けて、状況の見え方が柔らかくなったり、プレッシャーに押されそうな場面でも、どこかに余裕が生まれる。

 

その余裕が、新しい発想を生み、自分の心と身体の状態に気づくきっかけにもなってくれる。

 

つまり、遊び心は競技力を高めるためにも大切だと思っています

 

ただ頑張るだけでは届かない領域に、遊び心がそっと道を開いてくれる。

そんな感覚を、絵本を通して改めて伝えたいと思いました。

 

自分を振り返る時間も遊び心の一部

定期的に自分を振り返る時間をつくることも、遊び心と同じくらい大切だと感じています。

 

振り返りの時間があると、まず心の状態が整う。

 

今どんな気持ちでいるのか、どこに力が入りすぎているのか、逆にどこが緩みすぎているのか、そうした微妙な変化に気づけるようになるからです。

 

また、自分の癖にも気づきやすくなる。

考え方の偏りや、つい繰り返してしまう行動パターンが見えてくると、自然と修正が効くようになってくる。

 

そうすることで、これまでとは違う視点が生まれたり、選択肢が広がったりする瞬間が増えていきます。

 

遊び心と振り返り。

 

この2つが揃うと、心はしなやかに整っていきます。

 

ただ前に進むだけではなく、立ち止まって自分を見つめる時間があることで、日常も競技も、より豊かで柔らかいものになっていく。そんな感覚を大切にしていきたいと思っています。

 

最後のメッセージ

遊び心は、特別なものではなく、 大きな趣味を持つ必要もない。

 

絵本を読む。 散歩しながら空を見上げる。 普段選ばない飲み物を買ってみる。オリジナルゲームを作る。

 

そんな小さな“遊び”で十分です。

私自身、絵本を読むという小さな一歩から、 少し心が軽くなったような感じがします。

 

競技も同じです。 真剣になりすぎず、遊び心を持って取り組んでほしい。 簡単ではないし、簡単にいうと失礼かもしれないけれど、プロフェッショナルな選手にこそ意識して欲しい。

 

そして、自分を振り返る時間も大切にしてほしい。

その積み重ねが、 あなたの心をしなやかにし、 競技人生を豊かにしてくれるはずです。

 

私自身も「遊び」を意識して大好きなこの仕事と向き合っていきます。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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