スポーツメンタルコーチ上杉亮平
試合で力を発揮できないあなたへ、心の土台を整える伴走者
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何も持てない時期にだけ開く「受け取るスペース」

 

何も持てないと感じるとき、人は立ち止まる

競技を続けていると、どうしても避けられない時期がある。 練習を重ねても結果につながらず、積み重ねてきたはずのものが手の中からこぼれ落ちていくように感じる瞬間。

「自分には何もない」 「何をしても届かない」 「周りは前に進んでいるのに、自分だけ止まっている」

その感覚が積み重なると、集中が続かず、動き出す気力さえ失ってしまう。 競技者にとって、この感覚はとても重い。 誰にも言えないし、言ったところで伝わらない。 強く見られたい自分と、弱さを抱えた自分の間で揺れ続ける。

ただ、この何も持てない感覚には、もう一つの側面がある。 それは、満たされる余白が生まれているということ。

器が空いているからこそ、新しいものが入る。 余白があるからこそ、変化が起こる。 静けさがあるからこそ、自分の底に触れられる。

この余白は、競技者にとって大きな意味を持つ。

 

何も持てないと感じる瞬間は、視野が開く瞬間でもある

競技者は、自信があるときほど前へ進む力を持っている。 身体が軽く、判断が速く、迷いが少ない。 その勢いの中でしかできない挑戦があるし、 その状態だからこそ掴める感覚もある。

一方で、自信がある時期は視野が狭くなることもある。 「このままでいい」「今のやり方で十分だ」 そう思えるからこそ、変化の必要性を感じにくい。

結果が出ているとき、人は学びにくくなる。 吸収しにくくなる。 疑いにくくなる。

自信が揺らぐと、普段なら気にしない細かい部分に目が向くようになる。 その状態は、新しい気づきを得やすい。

気持ちが落ち込む時期は、外からの刺激に敏感になる。 技術も、考え方も、人の言葉も、以前より入りやすくなる。 その変化は、競技者にとって大きな転機になる。

そして、自信がある時期にも、自信がない時期にも、 それぞれにしか見えない景色がある。 どちらも必要で、どちらも価値がある。

 

自信がない時期にしか育たないものがある

自信を失った時期は、表面上は停滞に見える。 ただ、内側では静かに変化が起きている。

 

たとえば、

 

  1. 動きの細部を見直す時間

 

  1. 身体の反応を丁寧に感じ取る余裕

 

  1. 人の言葉を素直に受け取れる柔らかさ

 

  1. 競技を続ける理由を静かに探す時間

 

これらは、自信が揺らいでいる時期にしか手に入らない。

迷いの中で見つけた気づきは、競技者としての軸になる。 軸がある人は、迷っても戻ってこられる。 勝っても負けてもブレない。

 
だけどわすれてはいけないポイントとして、自信がある時期にしかできないこともあるということ。

 

順調な時期には順調な時期の価値がある。 結果が出ているとき、人は前へ進む力を持っている。 勢いがあり、視界が開け、身体が軽い。

この状態でしかできないことがある。

 

  1. 大きな挑戦に踏み出す勇気

 

  1. 新しい技術を試す余裕

 

  1. 自分の強みを深く掘り下げる時間

 

  1. 周囲を巻き込みながら前へ進む推進力

 

これらは、自信がある時期だからこそ可能になる。

 

状態に優劣はない。どちらも競技者にとって必要な時間

競技を続けていると、調子が良い時期と、思うようにいかない時期が必ず訪れる。

多くの人は「良い状態=前に進んでいる」「悪い状態=止まっている」と捉えがちだけど、実際はそうではない。

どんな状態にも、その状態でしか得られない景色があるということ。

 

調子が落ちているときは、普段なら流してしまう細かい癖に気づきやすい。 身体の反応が鈍いからこそ、動きのズレがはっきり見える。 気持ちが揺れているからこそ、自分が何に影響されやすいのかが分かる。

 

逆に、調子が良いときは、勢いがあるからこそ踏み込める判断がある。 身体が軽いからこそ、普段より大きな挑戦ができる。 視界が開けているからこそ、自分の強みを深く掘り下げられる。

 

つまり、 状態が変われば、見えるものも変わる。 育つものも変わるということ。

迷っているときにしか見えない癖があり、 落ち込んでいるときにしか触れられない自分の底がある。

順調なときにしか掴めない勢いがあり、 苦しいときにしか育たない視点がある。

 

どちらが上で、どちらが下という話ではなくて、ただ、状態ごとに得られるものが違うだけ。

その違いに気づける人は、どんな状態でも前に進める。 そして、その視点を持てる競技者は、長く強くなっていく。

 

最後に

──受け取るスペースを大切にしてほしい

競技者は、常に前へ進むことを求められる。 ただ、思うように進めない時期があるからこそ、自分を見直す時間が生まれるし、何も持てないと感じる瞬間は、能力が欠けているわけではないということ。むしろ、新しい技術や考え方を受け取るスペースができている状態。

そのスペースには、 これまで気づけなかった細かい動きや、 人の言葉から得られるヒント、 自分の内側から出てくる小さな意欲など、 次につながる材料が入りやすくなる。

この状態をどう扱うかで、競技者としての未来は大きく変わる。

調子が落ちている時期は、次のステージに向けた準備期間と捉えてほしい。 準備期間を丁寧に過ごせる人は、結果が出る時期にしっかり伸びる。

どんな状態にも、その状態でしか得られない情報がある。 その情報を拾える視点が、競技者を強くする。

受け取るスペースを大切にしてほしい。そしてどんな状態にも価値があるという視点をもってほしい。そこから、次の動きが自然に生まれていく。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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