結果が出ない競技者へ――誰にも見られない努力があなたを強くする

誰にも見られない行動が競技者の軸をつくる
最近、ふとした瞬間に思うことがあった。
大人になってようやく気づいた、父の凄さについて。
父は毎朝5時に、誰よりも早く職場へ向かっていた。
夏は冷房を、冬は暖房を入れて、誰かが来たときに少しでも快適に過ごせるように。
小さい頃の私は、その理由を深く考えたことがなかった。
「朝はトイレが長くなるから早く行ってるだけだ」と笑っていた父の言葉を、そのまま信じていた。
大きくなるにつれて、父はその本当の理由を話してくれた。
その時も「すごいな」とは思ったが、今ほど深くは理解していなかった。
大人になった今、ようやくその行動の意味と凄さが分かる。
父は役職が上がっても、その小さな親切を変わらず続けていた。
最高役職に就いても、誰にも見られない場所で同じ行動を続けていた。
感謝されたいわけでも、評価されたいわけでもない。
ただ、自分がそうしたいからやっているだけ。
見返りを求めていたら、きっと続かなかったんじゃないかなと勝手に思っている。
本当の親切とは、こういうことなのかもしれないなって、、、。
その背中を見て育ったからこそ、今の自分の姿勢がある。
これは、選手に対してだけでなく、どんな場面でも大切にしている自分に対しての問い。
そして一番気をつけているのは、行動に見返りを求めないこと。
少し気を抜けば、承認欲求はすぐに顔を出す。
「こんなにやってるのに…」
「なんであいつが評価されるんだ…」
そんな気持ちが出てきたとき、それはもう親切でも努力でもなくなる。
父の姿勢を思い出すたびに、私は自分に問い直す。
誰にも見られない場所で、日を浴びないところで、自分はどう行動しているだろうか。
誰かのために動いているその行動に、見返りを求めていないだろうか。
そうやって自分を整え直すたびに、父の背中の大きさを改めて感じる。
見返りを求めると努力は続かない
結果が出ない時期の落とし穴
結果が出ない時期や、自分が思うように評価されない時間は、どんな競技者にも訪れる。
スランプのような状態が続くと、心は不安定になりやすい。
だからこそ、
- 見返りを求めない行動は、競技者の軸をつくる。
- 誰にも見られない場所での積み重ね。
- 自分の意思で選んだ努力。
- 承認欲求に飲まれない心。
- 結果に左右されない姿勢。
これらはすべて、競技力に直結する。
そしてもう一つ、大事なことがある。
見返りを求めてしまうと、思った通りの見返りが得られなかった瞬間に心が沈み、行動そのものをやめてしまう。
そう思った瞬間、努力は義務に変わり、続かなくなる。
逆に、見返りを求めずにやり続けられた人にだけ、後から静かにギフトがやってくる。
誰にも見られていないようで、実は見ている人はちゃんと見ているということ。
本番で出る偶然ではない結果は、見えないところでの行動がつくる。
評価されなくても続けられる競技者が強くなる
そしてもう一つ、大事なことがある。
努力を続けていると、必ず出てくる。
ケチをつけてくる人。
「意味ないよ」と言ってくる人。
「そのやり方じゃダメだ」と断言してくる人。
便利なツールを使えば「楽してる」と言われ、親切でやったことが「媚びてる」と捉えられることもある。
どれだけ丁寧にやっても、どれだけ誠実に向き合っても、違う形で受け取られることはある。
それでもいい。
大事なのは、自分の行動の意図を自分が知っていること。
誰にも見られない場所で、日を浴びないところで、自分のために、誰かのために動いているその行動は、必ずあなたの未来を支える力になる。
今、結果が出ない競技者へ伝えたいこと
今、頑張っているあなたへ
努力や親切に見返りを求めてしまうと、それはもう努力でも親切でもない。
今、結果が出ないと感じている競技者もいるかもしれない。
評価されず、モチベーションが揺らぐ時期もあるだろう。
でも、その姿勢は決して無駄じゃない。
誰にも気づかれなくても、評価されなくても、その行動は確実にあなたを強くしている。
父の背中が私を育てたように、あなたの背中も、未来のあなたを育てている。
最後までお読み頂きありがとうございました。
コラム著者