スポーツメンタルコーチ上杉亮平
試合で力を発揮できないあなたへ、心の土台を整える伴走者
~アスリートを自己実現へと導く~
メニュー

完璧主義は悪じゃない──行動する人のための本質ガイド

 

「完璧主義」と聞くと、どこかネガティブな響きを感じる人は少なくない。完璧を求めるあまり、何も始められない。細部にこだわりすぎて、いつまでも完成しない。そんなイメージが先行して、「完璧主義=悪いこと」と捉えられることが多い。

 

でも、本当にそうでしょうか?

 

完璧を求めること自体は、決して悪ではない。むしろ、突出した成果を出す人ほど、誰よりも高い基準を持ち、それを誰よりも貫き通している。完璧主義が悪く見えるのは、それが「行動を止める言い訳」として使われてしまうときだ。

 

 

本物の完璧主義者は動いている

本物の完璧主義者は、他人が気にしないような細部にまでこだわる。けれど、そのこだわりはただの理論や理想だけじゃなく、実際に体を動かして試している。彼らは毎日、毎時間、手を身体を動かし、改善を繰り返している。完璧に近づくために、実際に動き続けている。

 

例えば

 

  1. フォームの角度を0.1度単位で調整する

 

  1. トレーニングメニューの細かな調整を繰り返す

 

  1. 試合映像を分析し、動きの癖を修正する

 

「完璧を目指すからこそ、動く」そして、動きながら完璧に近づいていく。

 

 

偽の完璧主義──それは“やらない言い訳”

一方で、完璧主義が悪い意味で使われるとき、それは「何も始めていない」状態。理想ばかりを語り、実際には手も身体も動かしていない。完璧を求めるというより、「完璧じゃないからやらない」という言い訳になっている。

 

例えば

 

  • 「もっと準備してからじゃないと…」

 

  • 「今の自分じゃまだ足りない」

 

  • 「完璧に仕上げたいから、もう少し待って」

 

  • 「できなかったから、もうやらない」

 

これらの言葉の裏には、行動への恐れや失敗への不安が潜んでいる。完璧主義という言葉を盾にして、挑戦から逃げてしまっている。

 

 

少しでも完璧に近づけることの、何が悪いのか?

完璧を求めることは、悪ではない。むしろ、こだわることは美徳だ。問題なのは、それを理由に行動を止めてしまうこと。

 

  1. 完璧を目指す

 

  1. でも、今の自分でまず動く

 

  1. 動きながら改善する

 

このサイクルこそが、本物の完璧主義だ。

完璧に近づくためには、まず動くこと。行動のハードルを下げながら、少しずつ理想に近づいていく。これができる人は、結果として高い成果を出す。

 

 

完璧主義と行動力は、両立できる

「完璧主義だから動けない」というのは誤解だ。むしろ、完璧を目指すからこそ、行動する必要がある。

 

  1. 完璧を目指す → 改善点が見える

 

  1. 改善点が見える → 実験と修正が必要

 

  1. 実験と修正 → 行動が不可欠

 

つまり、完璧主義は本来、行動とセットであるべき。

 

 

完璧主義を“味方”にする方法

では、どうすれば完璧主義を自分の味方にできるのか

 

1. 行動のハードルを下げる

「完璧にやらなきゃ」と思うと、最初の一歩が重くなります。だからこそ、まずは“できること”から始めることが大切です。

 

  1. 1分だけやってみる

 

  1. イメージからでも形にする

 

  1. 誰にも見せなくていいから試す

 

例えば、「できなかったからもうやらない」と諦めるのではなく、小さな一歩を積み重ねることが重要です。

 

2. 改善を前提にする

最初から完璧を目指すのではなく、「改善していく前提」で動く。そうすれば、未完成でもスタートできます。

 

  1. 挑戦の量を増やすことで、経験値が積み上がる

 

  1. 失敗を恐れず、次に活かす意識をもつ

 

改善を前提にすれば、動きながら成長できる環境を自分で作り出せます。

 

3. 小さな完璧を積み重ねる

細部へのこだわりを、一つひとつの動作やプレーの中で具体的に積み重ねていくことが大切です。

 

  1. シュートフォームの角度を微細に調整する

 

  1. パスのタイミングを何度も試して最適な瞬間を見極める

 

  1. スタートダッシュの踏み込みの力加減を細かく調整する

 

こうした細かな動きの積み重ねが、全体のパフォーマンスを大きく向上させます。 それぞれの動作に完璧を目指すことで、競技全体の質が磨かれていくのです。

 

4. 習慣にする

一度の努力ではなく、日々の習慣として取り入れることで、完璧主義を味方にできます。

 

  1. 毎日のウォームアップでフォームを意識する

 

  1. 練習後に必ず動画を見返して改善点をメモする

 

  1. 試合前のルーティンを徹底して心身の準備を整える

 

これらの習慣が、細かな動きの質を高め、パフォーマンス全体の向上につながります。日々の積み重ねこそが、完璧主義を味方にする鍵となるのです。

 

5. 得られたことを見つけ出す

完璧を目指す過程では、結果だけでなく「そこから何を得られたか」を振り返ることが大切です。行動や挑戦の中で得られた気づきや成長を見つけることで、次の一歩につながります。

 

  1. 練習で得られた小さな改善点を振り返る

 

  1. 試合で感じた課題や成功体験を記録する

 

  1. 日常の習慣から得られた自信や安心感を意識する

 

こうして「得られたこと」を見つけ出す習慣を持つことで、完璧を求める姿勢が単なる理想追求ではなく、行動を続けるためのエネルギーに変わります。結果に振り回されるのではなく、過程から学びを抽出することで「次も動こう」という意欲が生まれるのです。

つまり、得られたことを見つけることは、行動を止めないための仕組みそのもの。完璧主義を味方にするためには、この振り返りが欠かせません。

 

最後に──完璧を目指すことは、誇りである

完璧を求めることは、誇りと言えます。

 

自分の仕事や表現に対して妥協しない姿勢であり、それは誰かに認められるためではなく、自分自身との約束であり、競技者としての魂の証とも言えるでしょう。

 

突出した結果を残したいのであれば、完璧を求め続け、こだわり続けるしかありません。

 

細部にまで目を光らせ、日々の練習や試合の一瞬一瞬に全力を注ぐ。

 

その積み重ねが、他者を圧倒するパフォーマンスを生み出すことにつながります。

 

ただし、その誇りを「やらない理由」にしてしまうのは本末転倒です。

 

完璧を目指すなら、まずは動いてみることが大切です。挑戦を続けながら、動きつつ磨き続けることが何よりも重要になります。

 

完璧主義は決して悪ではありません。むしろ、行動と改善を止めない限り、それは最強の武器となり得ます。

 

完璧を目指していい。こだわっていい。

だが、止まってはいけません。動き続けること。

それこそが、本物の完璧主義者の姿であり、競技者の誇りです。

だからこそ、本当に突出した結果を残したいのなら、完璧を求め続け、こだわり続けることは欠かせない。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

その他のおすすめ記事

意識と無意識──「意識脳2~5%」の使い方と競技者の集中力 競技者にとって「集中力」は勝敗を左右する最大の武‥ 続きを読む
坂本龍馬に学ぶ競技者の在り方──深刻になるな、挑戦を楽しめ 坂本龍馬の在り方に学ぶ 「思い切ってやって‥ 続きを読む
制限を超える力──競技者のための心のコラム 競技者として挑戦を続けるあなたは、無意識のうちに「ここまで」と線を引いて‥ 続きを読む

【完全無料】アスリート必見!
心の壁を乗り越え
ベストパフォーマンス引き出す5つの秘訣!