“与える勇気”が人生を動かす──タルムードに学ぶ思考と選択の哲学

先日、ユダヤ人の知恵の源泉ともいわれる「タルムード」の本を手に取る機会がありました。そこには、成功や選択、リスクへの向き合い方など、時代を超えて人の生き方を支える言葉が数多く記されていました。読み進めるうちに、私自身が大切にしている考え方──人に寄り添い、問いを重ね、成長を選び続ける姿勢──と深く通じるものがあると感じました。
このコラムでは、その学びや気づきをシェアするとともに、スポーツメンタルコーチとして活動する私、上杉亮平がどんな価値観を持ち、どんな生き方を大切にしているのかを知っていただければと思います。タルムードの教えを通じて、私自身の哲学を少しでも伝えられたら嬉しく思います。
タルムードとは何か?
タルムードは、ユダヤ教の口伝律法をもとに編纂された膨大な文書群であり、紀元後3?5世紀頃に形づくられました。 その本質は「問い続けること」にあります。正解を押しつけるのではなく、問いを立て、議論し、考え続ける。
この姿勢は、時代や文化を超えて現代を生きる私たちにも響きます。特に「成功」「選択」「リスク」「与えること」に関する教えは、日々の判断や人との関わりにおいて確かな指針となります。
与えることは、未来への投資
「成功したいなら、まずは先に与えよ」 この言葉は、損得ではなく“姿勢”を問うている。
与えることは、見返りを求める行為ではない。 むしろ、自分の可能性を広げるための“未来への投資”。
- 経験を共有する
- 時間を差し出す
- 言葉をかける
- 信頼を預ける
それらはすべて、目に見えない形で自分自身を育てていく。 私はこの教えを、日々の関わりの中で何度も実感している。
ノーペイン・ノーゲイン──痛みの中にある成長
タルムードはこう語る。 「痛みを避けることは、成長の機会を逃すことだ」
私たちは、苦しみや不安を避けたくなる。 でもその中にこそ、思考の深まりや人間としての厚みがある。
痛みを経験することで、他者の痛みにも寄り添えるようになる。 それは、コーチとしてだけでなく、人としての在り方にも通じる。
動かないことこそが最大のリスク
「リスクを取らないことは、緩やかな衰退である」 この言葉は、私の背中を何度も押してくれた。
新しいことに挑戦する 自分の弱さを認める 未知の領域に踏み出す
それらはすべて“怖さ”を伴う。 でも、動かないことの方がずっと怖い。 変化を拒むことは、可能性を閉ざすことだからだ。
リスクを理解する力
タルムードはこうも語る。 「リスクじゃないことを、リスクだと思い込んでいることが多い」
私たちは、未知=危険と捉えがちだ。 でも本当は、正しく理解することが、リスクをリスクでなくする鍵になる。
- 失敗するかもしれない
- 評価されないかもしれない
- 周囲と違うかもしれない
それらは“リスク”ではなく、“問い”である。 その問いに向き合えるかどうかが、人生の質を決める。
目先の利益に惑わされず、知恵ある者が最後に追い越す
「目先の利益に目がくらんだ者は失い、ウィズダムを持った者が最後に追い越す」 この教えは、私の中に静かに根を張っている。
短期的な成果に囚われると、判断が浅くなる。 長期的な視点を持つことで、選択に深みが生まれる。
私は、目の前の結果よりも「どんな姿勢でそれを選んだか」を大切にしたい。 それが、信頼を築く土台になると信じている。
自分が同じ立場だったらどうするか?
タルムードの物語を読むたびに、自分自身に問いが立つ。 「もし自分がこの状況にいたら、どう判断するだろう?」
その問いは、私をアップデートさせてくれる。 そして、誰かに寄り添う立場であることの責任を思い出させてくれる。
私は、関わるすべての人に対して、 「誠実でありたい」「深く考え続ける人間でありたい」と願っている。
最後に──問い続けることを支えにして
タルムードの教えは日々を選び取るうえで大切にしたい一つの指針であり、心を整えるための支えです。
「今の自分は、未来の自分に何を与えているか?」 この問いを持ち続けることは、私にとって欠かせない習慣になっています。 答えは一つではなく、時に揺らぎ、時に迷います。 それでも問い続けることで、私は前へ進む力を得られるのです。
そして最後に伝えたいのは── 私は、今に満足することなく、リスクを取ってでも成長し続けたい。
安全な場所に留まることは、私にとって最大のリスクです。 挑戦の中にこそ、自分を更新し続ける可能性がある。
タルムードの教えは、その挑戦を後押ししてくれる“ひとつの灯”です。 その灯を胸に、私はこれからも問いを重ね、歩みを止めず、成長を選び続けていきたいと思います。そして、その歩みの先には──より多くの競技者が、自分らしく挑戦し、幸せを感じられる未来に繋がると信じています。
だからこそ、私は今に満足することなく、リスクを恐れず、挑戦を続けていきたい。 問い続ける姿勢こそが、私自身を更新し、関わる人の可能性を広げていく力になると信じて。
最後までお読み頂きありがとうございました。
コラム著者