スポーツメンタルコーチ上杉亮平
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自分との約束を守るための習慣設計

 

「習慣が続かない」のはあなたのせいじゃない

「朝◯時に起きる」「夜◯時に勉強する」──そんな“時間ベース”の習慣が続かないと、自分を責めてしまう人は多い。 でも実は、習慣が続かないのは「意志が弱いから」ではなく、「設計が合っていないから」かもしれない。

本コラムでは、時間ではなく“流れ”で習慣を整える方法を、脳科学・心理学の根拠とともに解説する。 そしてそれが、メンタルにどんな影響を与えるのか。 さらに、自分の理想とする習慣を手に入れたとき、何が変わるのか──その未来まで描いてみたい。

 

時間ベースの習慣が続かない理由

「◯時にやる」と決める習慣は、一見わかりやすくて取り組みやすい。

でも、時間ベースの習慣には以下のような落とし穴がある。

 

  1. 外的要因に左右されやすい(予定・天気・気分・他人の都合)

 

  1. 1回崩れると「全部ダメだった」と感じやすい

 

  1. “やること”と“やるタイミング”が分離していて、脳が切り替えにくい

 

脳科学的には、習慣化には「トリガー(きっかけ)」と「報酬(快感)」が必要だと言われている。 時間だけでは、脳にとっての“意味づけ”が弱く、行動の自動化が起きにくい。

 

流れベースの習慣とは何か?

流れベースの習慣とは、「ある行動の後に、自然に次の行動がつながるように設計すること」。

 

たとえば:
  1. 起床 → 歯磨き → 白湯を飲む → 日記を書く

 

  1. 帰宅 → 着替え → ストレッチ → 読書

 

  1. 練習後 → クールダウン → メンタルノート → 睡眠準備

 

このように、行動の連鎖を意識することで、脳は「次に何をすればいいか」を迷わなくなる。 これは「実行意図」と呼ばれ、心理学的にも習慣化に効果があるとされている。

 

例:Q&A

Q1. 朝の習慣が続かない人はどうすれば?

朝は意思決定の余白が少なく、習慣が崩れやすい時間帯。 だからこそ、「起きたら◯◯する」という流れを作ることが大切。

 

おすすめは「起床後の3ステップ」を固定すること:
  1. 起きたらカーテンを開ける

 

  1. 白湯を飲む

 

  1. 3行だけ日記を書く

 

この流れが定着すれば、朝のスタートが整い、1日のメンタルも安定しやすくなる。

 

Q2. 忙しくて習慣が作れない人でもできる流れ設計とは?

忙しい人ほど、習慣を「時間」ではなく「行動のつながり」で設計することが効果的。

 

たとえば:

 

  1. 昼食後 → 5分だけ目を閉じる → 呼吸を整える

 

  1. 帰宅後 → 靴を脱ぐ → そのままストレッチマットへ座る

 

「何かの後に、自然にできること」を見つけることで、無理なく習慣が育つ。

 

習慣化のステップを分解して紹介

 

① トリガーを見つける

習慣の始まりには「きっかけ」が必要。

例:歯磨き後、帰宅後、スマホを置いた瞬間など。

このトリガーが明確だと、脳は「次に何をすればいいか」を自動的に思い出す。

 

② 報酬設計をする

習慣が続くためには「快感」が必要。

例:日記を書いたらお気に入りの音楽を流す、ストレッチ後に好きな香りを使うなど。

報酬は小さくていい。大切なのは「気持ちよさ」があること。

 

③ 振り返りの仕組みをつくる

習慣は「続けること」より「戻れること」が大事。 週に1回、習慣の記録を見返す時間をつくることで、自己理解が深まり、修正もできる。

おすすめは「習慣ノート」や「セルフチェックリスト」。 自分との対話が、習慣を育てる土壌になる。

 

メンタルとの関係をもう一段深く掘る

習慣は、メンタルの安定に直結している。 その理由は以下の通り:
  1. 予測可能性が感情を安定させる  → 習慣があると「次に何が起きるか」が見えているため、不安が減る。

 

  1. 自己効力感が育つ  → 小さな習慣を続けることで「自分はできる」という感覚が積み重なる。

 

  1. 自己理解が深まる  → 習慣の記録や振り返りを通じて、自分の感情や思考のパターンが見えてくる。

 

  1. 感情の波を整える“リズム”になる  → 習慣があることで、感情の揺れが大きくなりすぎず、戻る場所ができる。

 

習慣は、単なる行動ではなく、「感情の居場所」でもある。

 

理想の習慣を手に入れた先にあるもの

自分に合った流れベースの習慣が身についたとき、何が変わるのか?

 

  1. 朝のスタートが整うことで、1日が前向きに始まる

 

  1. 練習や仕事の後に、心を整える時間が生まれる

 

  1. 自分との約束を守れることで、他人との関係性にも余裕が生まれる

 

  1. 習慣が“自分らしさ”になることで、迷いが減り、選択がクリアになる

 

習慣は、ただの行動ではない。 それは、自分の価値観を形にする「日々の表現」でもある。

 

おわりに──習慣は“自分との対話”である

習慣を変えることは、自分を変えること。 でもそれは、無理をすることではなく、「自分に合った流れを見つけること」から始まる。

時間に縛られるのではなく、流れを整える。 それが、メンタルを整える最も実践的な方法かもしれない。

今日からできることは、小さな一歩。

たとえば「歯磨きの後に白湯を飲む」──それだけでも、習慣の流れは始まっている。

あなたの習慣が、あなたのメンタルを育てる。 そしてそのメンタルが、あなたの未来をつくっていく。

習慣は、意志の力だけで築くものではない。 それは、設計と流れ、そして自分との対話から生まれるもの。

「できなかった日」ではなく、「戻れた日」を大切に。

「完璧な習慣」ではなく、「自分に合った習慣」を育てていく。

今日から始める小さな流れが、 明日のあなたを、静かに、でも確かに変えていく。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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