メンタルは弱くてもいい
スポーツメンタルコーチが語る“心の整え方”と本当の強さ

はじめに
──このコラムを書こうと思ったきっかけ
私は選手に「どんなメンタルが欲しい?」と尋ねることがあります。 なぜなら、結果にふさわしいメンタルを先に手に入れることが、パフォーマンスを最大化するために欠かせないと考えているからです。
けれど、この問いにすぐ答えられる選手は意外と少ない。 「メンタル」という言葉があまりに広く使われすぎていて、具体的なイメージを持たないまま日々を過ごしているからだと思います。 曖昧なままでは、欲しいメンタルを手に入れることはできません。
そんなやり取りを通して、私自身もふと立ち止まりました。 「そもそも、メンタルって何だろう?」 改めて考える時間を持てたことで、思考を整理し、言葉にしてみようと思ったのがこのコラムのきっかけです。
メンタルって何?
「メンタル」とは、心の状態や働きの総称。
心理学的には主に5つの要素で構成されます:
- 感情(不安・喜び・怒りなどのセンサー)
- 思考(自己評価や解釈のプロセッサー)
- 意志・動機(挑戦を推進する原動力)
- ストレス耐性(逆境に耐えるバッファ機能)
- 自己調整力(感情と行動をコントロールするインターフェイス)
競技者にとって、メンタルは技術や体力と並ぶ“見えない土台”。 どれだけフォームが完璧でも、心が乱れればパフォーマンスは揺らぎます。 逆に、メンタルを整えられれば、限界値を超える力を発揮できるのです。
一般的に「メンタルが弱い」と言われるものとは?
世間で「メンタルが弱い」と言われる状態には、いくつかの傾向があります。
- プレッシャーに押しつぶされやすい
- 自分に自信が持てない
- 感情の波に飲み込まれやすい
- 失敗や変化を受け入れにくい
- 落ち込むと回復に時間がかかる
けれど、これらは必ずしも「悪いこと」ではありません。 むしろ、感受性が高いことや、誠実に物事に向き合っている証でもあります。 心が揺れるのは、それだけ真剣に生きているということなのです。
メンタルが弱いってどういうこと?
「弱い」という言葉は、心が揺れやすい・整えにくい・回復に時間がかかる状態を指します。 でも、その背景には、真剣に向き合っている姿勢や、繊細さが隠れています。
- 不安になる=物事に本気で取り組んでいる証
- 落ち込む=感情が豊かで、深く感じ取る力がある証
- 揺れる=変化に敏感に反応できる感性の証
つまり、「弱さ」とされるものの中には、強さの種がすでに宿っているのです。
「弱い」は本当に正しい表現?
私は「弱い」という表現は、必ずしも正しくないと思っています。 それは、整える方法をまだ知らないだけかもしれません。
筋肉が鍛えられるように、メンタルも習慣・環境・言葉によって育てることができます。 たとえば、日記を書くこと。信条カードを持ち歩くこと。小さな成功体験を積み重ねること。 こうした行動が、心の回復力や安定感を育ててくれます。
「弱い」ではなく、「育てている途中」と捉えることで、心の景色は変わっていきます。
メンタルは弱くてもいいのか?
結論から言えば、メンタルは弱くてもいいのです。 むしろ、弱さを認められることこそが、強さの始まりです。
弱さは、他者への優しさを育みます。 自分の感情に誠実になるきっかけにもなります。 そして、弱さを知っている人ほど、本質的な強さを手に入れることができます。
「弱さ」は、成長の余白であり、可能性の入り口なのです。
全ては物事をどう捉えるか
──表裏一体
メンタルの強さ・弱さは、物事の捉え方次第で変わります。 同じ出来事でも、「試練」と捉えるか「成長の機会」と捉えるかで、心の反応はまったく違ってきます。
強さと弱さは、常に表裏一体。 弱さの中に強さがあり、強さの中に弱さがあります。 どちらかを否定するのではなく、両方を受け入れることで、心はしなやかに育っていきます。
全てを変える必要はない
メンタルを整えるために、今の自分をすべて変える必要はありません。 自分らしさを受け止め、残しつつ、少しだけ捉え方を変えたり、視点を増やすだけで、世界は違って見えてきます。
たとえば、完璧主義の自分に「途中でも一度休んでいい」と許可を出すこと。 失敗を重く受け止める自分に「よかったことリスト」を加えてみること。 そんな小さな変化が、心の余白を広げてくれます。
私の役割
──変化を望むあなたへ
そのお手伝いをするのが、私、上杉亮平 スポーツメンタルコーチの役割です。 もし今、変化を望んでいるのなら、いつでもサポートできる状態は整っています。
あなたの中にある力を引き出し、整える方法を一緒に見つけていきましょう。
あなたの心を静かに支える存在になるはずです。
「いつかやろう」ではなく、「今、少しだけ動いてみよう」。 その一歩が、心のしなやかさと深さを育てるきっかけになります。
まずは、体験コーチングというかたちで。 あなたの“整える方法”を、一緒に探していきましょう。 その一歩が、あなた自身の可能性を静かに開いてくれるはずです。あなたの勇気ある一歩こころよりお待ちしております。
最後までお読み頂きありがとうございました。
コラム著者