好き・嫌い・苦手・得意──練習に揺れる心の整え方

- 練習メニューによって気分が上下する
- 得意なことは楽しいけど、苦手な練習になると気持ちが沈む
- 周りは追い込めているのに、自分だけ気持ちが乗らない
- 「好き」「嫌い」「得意」「苦手」が入り混じって、何が本当かわからなくなる
もしひとつでも当てはまるなら、この記事がきっとあなたのヒントになります。
練習に感情が乗る日、乗らない日
「好きな練習」と「嫌いな練習」。 「得意な練習」と「苦手な練習」。 この4つは、似ているようでまったく違います。
好きだけど苦手な練習もあれば、得意だけど嫌いな練習もある。 たとえば、シュート練習は得意だけど単調で退屈に感じる。 逆に、フィジカル系の練習は苦手だけど、仲間と競い合うのが楽しくて好き──そんな選手もいます。
つまり、練習に対する感情は「技術的な得意・不得意」だけではなく、 その日の体調、気分、周囲の雰囲気、過去の記憶など、複雑な要因が絡み合って生まれているのです。
気持ちのムラは、自然なこと
まず前提として、練習に対する気持ちのムラは「悪いこと」ではありません。 人間である以上、感情は常に揺れ動きます。 昨日は楽しくできた練習が、今日はなぜかしんどく感じる──そんなことは誰にでもあります。
問題なのは、そのムラを「放置すること」。 気分が乗らないまま練習を続けると、集中力が落ち、ケガのリスクも高まります。 逆に、気持ちが乗りすぎて無理をすると、オーバーワークになることもあります。
だからこそ、自分の気持ちの変化に気づき、それを整える力が必要になるのです。
「気づく力」が、すべての始まり
スポーツメンタルコーチとして、私が最初に選手と向き合うのは「気づき」の部分です。 自分が今、どんな気持ちで練習に向かっているのか。 何が好きで、何が嫌いで、なぜそう感じているのか。 その“感情の地図”を一緒に描いていきます。
たとえば、ある選手が「この練習は苦手で嫌い」と言ったとします。 でも話を聞いていくと、過去にその練習でミスをして怒られた経験があったり、 周囲と比べて劣等感を感じていたりすることがわかります。
つまり、「嫌い」という感情の裏には、記憶や意味づけが隠れている。 そこに気づくことで、感情は少しずつほどけていくのです。
追い込める人と、追い込めない人の違い
よく「自分を追い込める人は強い」と言われます。 でも、実際には「追い込める人」と「追い込めない人」には、明確な違いがあります。
それは、感情と向き合う習慣があるかどうかです。
追い込める人は、自分の気持ちのムラに気づき、それを整える術を持っています。 だから、苦手な練習にも意味を見出し、嫌いなメニューにも目的を重ねられる。 一方、追い込めない人は、気持ちの揺れに飲まれてしまいます。 「今日は気分が乗らないから」「苦手だから」と、無意識に避けてしまう。
これは、根性や性格の問題ではありません。 感情との付き合い方の違いなのです。
心の中を一緒に歩く人
スポーツメンタルコーチとしての私の役割は、選手の心を“整える”ことです。 無理にポジティブにさせるわけでも、根性論を押しつけるわけでもありません。
選手自身が、自分の感情に気づき、 その感情をどう扱えばいいかを一緒に考える。 ときには、苦手な練習の意味づけを変えたり、 嫌いなメニューの中に楽しさを見つけたりする。
それは、まるで心の中を一緒に歩いていくような感覚です。
「この練習、なんでこんなに嫌なんだろう」 「どうして今日は気分が乗らないんだろう」 そんな問いを、誰かと一緒に考えるだけで、心は少しずつ整っていきます。
好き・嫌い・得意・苦手──そのすべてに意味がある
練習に対する感情は、選手の“心の鏡”です。 好きな練習には、安心や成功体験が映っている。 嫌いな練習には、過去の傷や不安が映っている。 得意な練習には、自信が映っている。 苦手な練習には、伸びしろが映っている。
だからこそ、どんな感情にも意味があります。 そして、その意味に気づき、整えていくことで、 選手は“自分の心”を味方につけることができるのです。
最後のメッセージ
──心のムラは、成長の入り口
練習に気持ちが乗らない日。 苦手なメニューに向き合うのがしんどい日。 そんな日は、決して無駄ではありません。
むしろ、心のムラこそが、成長の入り口になる。 その揺れに気づき、整え、意味づけを変えていくことで、 選手は技術だけでなく、心も強くなっていきます。
私は、そんな“心の整理”を、選手と一緒に歩んでいきたいと思っています。
メンタルサポートをご希望の方へ
もしあなたが、練習に気持ちが乗らない日があるなら── それは、あなたの心が何かを教えてくれているサインかもしれません。
スポーツメンタルコーチとして、私はその声に耳を傾け、 あなた自身が“自分の心”と向き合えるようサポートします。
ご相談やメンタルサポートをご希望の方は、 まずは【体験コーチング】からお気軽にお問い合わせください。 あなたの“心の土台”を一緒に育てていきましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。
コラム著者