スポーツメンタルコーチ上杉亮平
~アスリートを自己実現へと導く~
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自己理解が習慣をつくる

 

「変わりたい」「続けたい」「整えたい」──そんな気持ちは、多くの方が抱えています。 けれど、多くの場合は“最初の一歩”をどう踏み出せばいいかで立ち止まってしまいます。

目標を叶えるためには、意志の力だけでは足りません。 大切なのは、自分自身の性質や習慣を理解して、“しっくりくる設計”を見つけること──つまり、「自己理解」です。

私はスポーツメンタルコーチとして活動する中で、日々の実感としてこの重要性を感じています。 自己理解は、習慣や感情だけでなく、人間関係や人生の選び方にまで静かに影響してくれる、心の土台だと思っています。

 

「気になってしまう」という習性を、力に変える

私には、ある習性があります。 それは──「気になったことを放っておくと、眠れなくなる」という性質です。

選手の何気ない言葉や、事例の違和感が頭に残ってしまう。 価値観がぶつかった瞬間や、解決しきれなかった問いが心に引っかかる。 そういったことがあると、どんなに疲れていても、頭が勝手に動き出すのです。

昔はこの習性に困っていました。けれどある時、こう思いました。

「この反応こそ、自分の思考を動かすエネルギーなのでは?」

そう考えたとき、自己理解のスイッチがひとつ入りました。 それは、思考や習慣を“設計する力”に変わったのです。

 

小さな一歩のデザイン──「気になりそうなことを考える」

私が毎日継続しているのは、実はひとつだけです。 「気になりそうなことを考える」──これだけです。

この一歩さえ踏み出せば、あとは習性が“勝手に流れをつくってくれる”のです。

気になってしまえば、眠れなくなる。 眠るためには、調べる・深掘る・言語化する。 それが整えば、自然とコラムとしてまとまっていく。 結果的に、ホームページで毎日更新する流れが生まれます。

この継続は、決して気合や根性ではありません。 自分の性質が自然に動くような「感覚の設計」があるからこそ、続けられているのです。

だから私が守っているのは、“気になりそうなことを考える”という小さな入り口だけ。 それが自分らしい時間を育て、思考が動き、習慣が生まれていきます。

 

自己理解は、習慣化の“根っこ”を整えてくれる

行動が続くとき、そこには「しっくりくる感覚」があります。 そしてその感覚を生むのが、自己理解です。

 

  1. 思考がいつ・どんなときに動き出すのか

 

  1. 放置したらどうなるか

 

  1. どんな形で処理すると落ち着けるか

 

  1. どのタイミングなら安心できるか

 

こうした習性を理解していることで、行動を“自分専用”の形にデザインできます。 それは「努力して続ける」のではなく、「馴染んで続いてしまう」感覚です。 靴がぴったりだと歩きやすいように、行動もサイズが合えば自然と継続できるのです。

 

自己理解が深まると、感情の動きも変わってくる

もうひとつ、自己理解には大きなプラスがあります。 それは、感情との付き合い方が静かに変わっていくということです。

 

  1. 不安が湧いたとき、「なぜ不安なのか」に気づける

 

  1. 落ち込んだとき、「何が傷ついたのか」を見つけられる

 

  1. 揺れたとき、「どんな前提が影響しているのか」を振り返れる

 

感情を否定したり我慢するのではなく、構造として捉える力が育ってきます。 その力によって、感情の波に流されすぎず、選び直す余白が生まれます。

迷っても止まらない。 揺れても沈まない。 そんな“内側の支え”として、自己理解は静かに働いてくれるのです。

 

自己理解が深まると、人との関係にも変化が生まれる

さらに、自己理解は“他者との関係性”にも影響します。

自分の性質や習慣を理解していると、 必要以上に強がったり、無理に合わせたりする必要がなくなります。

「こういう感覚があるから、こう考えている」 「こういう性質だから、この選択をしている」 そんなふうに、自分の立ち位置を説明できるようになると、誠実な距離感が育まれます。

 

結果として──
  1. 言葉が届きやすくなる

 

  1. 信頼が深まりやすくなる

 

  1. 余白のある関係性が築ける

 

それは競技者の現場でも、表現者としての関わりでも、何度も実感してきたことです。

 

自己理解は、技術よりも深い支えになる

競技や表現においては、様々な技術やノウハウがあります。 けれどその前に、「自分自身を知っているかどうか」が、継続力や関係性に強く影響していると感じています。

 

  1. 書いたり話したりすることで落ち着ける人

 

  1. 空間の静けさが集中力を生む人

 

  1. 誰かとの対話が思考を深めてくれる人

 

それぞれに、自分だけの“行動設計”がある。 その設計図となるのが、自己理解です。

この設計図があるだけで、行動は苦しみではなく、“心地よい流れ”になってくれます。

 

自己理解 → 気になる一歩 → 習慣 → 自信 → 感情との和解 → 関係性の質

この連鎖は、誰にでも起こせます。 完璧でなくても、立派じゃなくてもいいのです。 大切なのは、「自分に合った小さな一歩を知っていること」。

自己理解が深まると、自分の性質に寄り添いながら、気になることをきっかけに自然と動けるようになります。 習慣が育ち、自信が宿り、人との関係にも静かな余白が生まれていく。

それは競技者としてだけでなく、人として生きていくための、確かな支えになります。

 

最後のメッセージ

習慣をつくることも、感情と向き合うことも、誰かとの関係を育てることも── すべては「自分を知ること」から始まります。

自己理解は、すぐに答えが出るものではありません。 けれど、問いかけ続けることで、少しずつ「自分に合った道」が見えてきます。

その道は、誰かと比べる必要のない、自分だけのペースで歩ける道です。

もし今、何かを続けたいと思っているなら。 もし今、揺れの中にいるなら。

まずは「気になっていること」に、そっと目を向けてみてください。

その小さな一歩が、あなたらしい習慣を育て、 あなたらしい時間をつくってくれるはずです。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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