スポーツメンタルコーチ上杉亮平
~アスリートを自己実現へと導く~
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声を出すとメンタルが整う|本番に強くなる“発声スイッチ”の使い方

 

試合が近づくと、どうしても声が小さくなってしまう──それは、緊張?それとも、自信の揺らぎ? 本番前なのに、なぜか気持ちが乗らない。集中力がうまく定まらず、試合に向かう自分がぼやけてしまう。

チームメイトの空気に飲まれて、自分を出せないまま一日が終わってしまうこと、ありませんか? 本当はもっと存在感を出したいのに、どうすればいいか分からない。

メンタルを整えたいと思っている。けれど、深呼吸をしてみても、目を閉じてみても──何から始めれば自分を整えられるのか、分からない。

もしひとつでも当てはまる感覚があるなら、きっとこの文章がヒントになります。 「声を出す」ことは、心と身体を整えるためのシンプルで確かな方法です。 その力を、今から一緒にひも解いていきましょう。

 

声を出すことは、心を整える“行動”である

「声を出す」と聞くと、単なる挨拶や掛け声のように思えるかもしれない。 しかし、声を出すという行為は、メンタルに直接働きかける“身体的なスイッチ”でもある。

 

声を出すことで得られる効果は、以下のように多岐にわたる
  1. 呼吸が深くなり、自律神経が整う

 

  1. 表情筋や胸郭が開き、身体が“戦うモード”に切り替わる

 

  1. 自分の存在を空間に刻むことで、自己効力感が高まる

 

  1. チーム内での一体感や連帯感が生まれる

 

感情の滞りが解放され、思考がクリアになる

つまり、声を出すことは「気合い」ではなく、“心と身体をつなぐ技術”なのだ。

 

心理学的に見る「声の力」

心理学では、声の発信は「自己表現」と「感情調整」の両面を持つとされている。

 

  1. 声を出すことで、自分の感情を“外に出す”ことができる

 

  1. 声のトーンや強さが、自分自身の気分を“逆に整える”こともある

 

  1. 声を出すことで、脳内の報酬系が活性化し、やる気や集中力が高まる

 

特に、緊張や不安が強い場面では、声を出すことで“自分のペース”を取り戻す効果がある。

 

実例:イチロー率いるKOBE CHIBENの声出しトレーニング

イチローさんが指揮をとる「KOBE CHIBEN」では、アップ前に必ず声出しを行う。 その様子は、まるで“儀式”のようにチームの空気を整えていく。

 

  1. イチロー:イチ! イチ! イチニー!

 

  • 全員:ソーレ!

 

  1. イチロー:コウベ!

 

  • 全員:コウベ!

 

  1. イチロー:チベン!

 

  • 全員:チベン!

 

  1. イチロー:ナンバーワン!

 

  • 全員:ナンバーワン!

 

この掛け合いは、ただのテンション上げではない。 全員が声を出すことで、空間に“自分の存在”を刻み、チームの一体感を生み出している。

さらに、円陣を組んで約20秒間の全力声出しを行うことで、 身体の緊張が解け、心が“競技モード”に切り替わる。

 

 

この声出しを通じて、選手たちは「自分のスイッチを自分で入れる」感覚を身につけている。

松井秀喜さんも「自分の中から声を出したり、すごく気持ち良かった」と語っている

 

声を出すことが競技者にもたらす3つのメンタル効果

1. 自己効力感の回復

声を出すことで、「自分はここにいる」「自分は動ける」という感覚が戻ってくる。 これは、試合前の不安や緊張を乗り越える第一歩になる。

 

2. 感情の解放と集中力の向上

声を出すことで、感情の滞りが外に出て、思考がクリアになる。 結果として、プレーへの集中力が高まる。

 

3. チームとの心理的な“接続”

声を出すことで、仲間との距離が縮まり、空気を共有する感覚が生まれる。 これは、孤独感や疎外感を防ぐ大きな要素になる。

 

最後に──声は、心を動かす“技術”である

声を出すことは、ただの気合いではない。 それは、自分の心を整え、身体を起こし、空間に自分を刻む“技術”だ。

イチロー選手がKOBE CHIBENで実践しているように、 声を出すことで、競技者は「自分のスイッチを自分で入れる力」を手にする。

心が揺れる時こそ、声を出してみよう。 その声が、あなたの心を整え、競技を支える力になる。

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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