スポーツメンタルコーチ上杉亮平
~アスリートを自己実現へと導く~
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眠りが心を支える─メンタル不調を防ぐ睡眠の力

心の不調は、脳の疲れかもしれない

「最近、なんとなく気分が晴れない」「集中力が続かない」「自分に優しくできない」──そんなメンタルの揺らぎは、実は“睡眠の質”と深く関係していることをご存じでしょうか。

睡眠はただ体を休める時間ではありません。心を整え、感情のバランスを回復する“心のメンテナンス時間”でもあるのです。とくにアスリートや挑戦を続ける人ほど、睡眠の重要性はパフォーマンスに直結します。

 

「睡眠不足」は心の機能を弱らせる

  1. 感情のコントロール力が低下する

睡眠が足りないと、脳の扁桃体が過剰に反応しやすくなります。怒りっぽくなる、悲観的になる、人間関係のちょっとした摩擦に過剰反応する──これは、「感情調整」がうまくできない状態です。

 

  1. セルフコンパッションが保てなくなる

人は疲れていると、自分に対して厳しくなりがちです。理想とのギャップに落ち込み、自己肯定感が下がる。睡眠が浅い日は「なぜできないんだ」と自分を責める傾向が強くなるのです。

 

  1. 思考力と判断力の低下

コーチングや競技において、「正しく感じ、選ぶ」力は重要です。睡眠不足は、直感力や状況判断を鈍らせ、余裕のない決断を生みやすくします。

 

「良質な睡眠」がもたらすメンタルの安定

  1. 情報の整理と記憶の定着

睡眠中、脳は「その日に得た情報」や「感情体験」を整理しています。感情を分別し、記憶に意味づけを与えることで、翌朝スッキリした気持ちで目覚めることができるのです。

 

  1. 感情の安定とストレス回復

良い睡眠は、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を安定化させます。その結果、心の回復力(レジリエンス)が高まり、困難にもしなやかに向き合えるようになります。

 

  1. 自己とのつながりが深まる

十分な眠りは「心の余白」を作ります。余白があると、感情に流されず、自分との対話ができる。“考える”ではなく“感じ取る”力が戻ってくる感覚です。

 

「眠りの質を高める」ための小さな習慣

  1. スマホとの距離をとる

寝る前のブルーライトや情報過多は、脳を興奮させて眠りを妨げます。ベッドに入る30分前にはスマホを手放すだけで、睡眠の質は変わります。

 

  1. 「眠る儀式」を決めておく

お茶を飲む、音楽を聴く、ストレッチをする──毎日同じルーティンを持つことで、脳が「これから眠る」と認識しやすくなります。

 

  1. 自分を許すひと言を添える

「今日もよく頑張った」「うまくいかない日もある」──そんな言葉を眠る前に心の中でつぶやくだけで、脳は安心して休息に入っていけます。

 

コーチとして感じる「眠りと心」の接点

私がスポーツメンタルコーチとして日々感じるのは、心の課題の中で“眠りの乱れ”に端を発している選手が少なくないということです。自己効力感の低下、パフォーマンスの揺らぎ、決断への不安──その根本にあるのが、疲労と過覚醒です。

「頑張る力」よりも「休める力」が重要になる場面は多くあります。睡眠は、“回避”でも“後退”でもなく、「前に進むための準備」なのです。

 

最後のメッセージ:眠りは、あなたの心を取り戻す時間

心が折れそうなとき、感情に振り回されそうなときほど、まず「眠る」ことを優先してみてください。

それは逃げではなく、“整えるための選択”。

眠りによって、あなたは自分の感情をもう一度抱きしめられるようになります。そして、明日の選択が、少しだけしなやかになるはずです。

「心が疲れている」と感じたら──まず、自分を寝かせてあげてください。

それが、最高のメンタルケアです。

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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