ひょんなことから始まった坂道ダッシュ

この出来事を通じて、「モチベーションが上がる瞬間」の本質について考えた。 人は何かを「見た」「聞いた」「感じた」ことで、一瞬でモチベーションが上がることがある。 逆に、どんなに頑張ろうと思っても、気持ちが上がらない時もある。
あなたのモチベーションが上がる時・下がる時はどんな時だろう? そして、それをしっかり認知し、理解できているだろうか?
モチベーションの仕組みを理解し最高のパフォーマンスを発揮する
科学が示すモチベーションの仕組み
スポーツ心理学では、モチベーションの波を理解することでパフォーマンスを最適化できるとされている。
Self-Determination Theory(SDT):自己決定理論
- 内発的動機(Intrinsic Motivation)
「自分が本当に楽しい、価値がある」と感じることが、持続的な努力を生む
- 外発的動機(Extrinsic Motivation)
報酬や評価によって動機づけられるが、長期的な継続には向かない
研究によると、競技者のパフォーマンス向上には「内発的動機」が圧倒的に重要とされている(Deci & Ryan, 2000)。
Achievement Goal Theory(AGT):達成目標理論
- 達成目標が「成長型」か「結果型」かで、モチベーションの持続性が変わる
- 成長型(Task-Oriented)
「昨日の自分より成長したい」という視点が、長期的な努力を後押しする
- 結果型(Ego-Oriented)
「他人に勝ちたい」という視点は、負けた時にモチベーションが低下しやすい
モチベーションが上がる時・下がる時
モチベーションが上がる瞬間例
- 刺激を受けた時
目標に向かって頑張る人を見た時、自分も「やれる気がする」と感じる。
- 成果を実感した時
練習の成果が出た、試合で結果が出た時。
- 仲間と競い合う時
周りの熱量が高いと、自分のやる気も引き上げられる。
- 挑戦したくなった時
自分の限界を試してみたくなる瞬間。
モチベーションが下がる瞬間例
どれだけ努力しても結果が出ない時
身体も心も限界になっている時
他の選手と比べてしまい、「自分はダメだ…」と思う時
「何のために頑張るのか?」を見失った時
モチベーションの波を理解することのメリット
- 自分のモチベーションのパターンを知ることで、低下した時の立て直しが早くなる
- 上がった時に最大限活用することで、パフォーマンスの爆発力を生み出せる
- 長期的な競技生活を維持しやすくなる
「燃え尽き症候群(Burnout)」を防ぐ
スポーツ心理学の研究では、「競技者が自身のモチベーションの波を理解しているほど、長期的な成果を出しやすい」(Roberts et al., 2019)。
モチベーションを管理する方法(実践ポイント)
- トリガーを知る
「自分がやる気になる瞬間」をリスト化し、意識的に取り入れる
- ルーティン化
モチベーションに左右されない「行動の仕組み」を作る
- 短期的な成功を積み重ねる
小さな達成感を得ることで、継続しやすくなる
最後のメッセージ
モチベーションはただ湧いてくるものではなく、意識的にコントロールできるもの。 上がる瞬間を最大限活かし、下がるときには適切にリカバリーすることで、あなたの競技人生は確実に進化する。
もし今、「なかなかやる気が出ない…」と感じているなら、少しだけ立ち止まってほしい。 あなたが過去に「本気になれた瞬間」は、どんな時だっただろう? 何を見て、何を感じて、「やるぞ!」と思った?
その感覚を意識して呼び戻せば、また一歩踏み出せるはずだ。 そして何より、あなたの持っている力は、まだまだ眠っている。
「あなたは、どんな時にモチベーションが上がる?」 この問いに答えられるようになることが、成長の鍵を握る。
今こそ、自分の波を知り、最大限に活用するタイミングだ。
コラム著者