スポーツメンタルコーチ上杉亮平
~アスリートを自己実現へと導く~
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ひょんなことから始まった坂道ダッシュ

 

先日、アスリートが自分自身を限界まで追い込むトレーニング動画を見た。 その姿を見た瞬間、「自分もやりたい」とスイッチが入った。

プロアスリートを目指していた過去があったからこそ、こういう瞬間は特別だ。 気づけば、なまりきった身体を起こし、なぜか坂道ダッシュ(笑)。 そして今一度アスリートの気持ちを感じるべくこれを習慣化しようと今奮闘中。自分にとってやる理由は後付けでも、動き始めたことが何より大事だった。

 

 

この出来事を通じて、「モチベーションが上がる瞬間」の本質について考えた。 人は何かを「見た」「聞いた」「感じた」ことで、一瞬でモチベーションが上がることがある。 逆に、どんなに頑張ろうと思っても、気持ちが上がらない時もある。

あなたのモチベーションが上がる時・下がる時はどんな時だろう? そして、それをしっかり認知し、理解できているだろうか?

 

モチベーションの仕組みを理解し最高のパフォーマンスを発揮する

科学が示すモチベーションの仕組み

スポーツ心理学では、モチベーションの波を理解することでパフォーマンスを最適化できるとされている。

 

Self-Determination Theory(SDT):自己決定理論

 

  1. 内発的動機(Intrinsic Motivation) 

「自分が本当に楽しい、価値がある」と感じることが、持続的な努力を生む

 

  1. 外発的動機(Extrinsic Motivation) 

報酬や評価によって動機づけられるが、長期的な継続には向かない

研究によると、競技者のパフォーマンス向上には「内発的動機」が圧倒的に重要とされている(Deci & Ryan, 2000)。

 

Achievement Goal Theory(AGT):達成目標理論

 

  1. 達成目標が「成長型」か「結果型」かで、モチベーションの持続性が変わる

 

  1. 成長型(Task-Oriented) 

「昨日の自分より成長したい」という視点が、長期的な努力を後押しする

 

  1. 結果型(Ego-Oriented) 

「他人に勝ちたい」という視点は、負けた時にモチベーションが低下しやすい

 

モチベーションが上がる時・下がる時

 

モチベーションが上がる瞬間例
  1. 刺激を受けた時

目標に向かって頑張る人を見た時、自分も「やれる気がする」と感じる。

 

  1. 成果を実感した時

練習の成果が出た、試合で結果が出た時。

 

  1. 仲間と競い合う時

周りの熱量が高いと、自分のやる気も引き上げられる。

 

  1. 挑戦したくなった時

自分の限界を試してみたくなる瞬間。

 

モチベーションが下がる瞬間例
  • 成果を感じられない時

どれだけ努力しても結果が出ない時

 

  • 疲れすぎた時

身体も心も限界になっている時

 

  • 比較して落ち込む時

他の選手と比べてしまい、「自分はダメだ…」と思う時

 

  • やる理由が見えなくなった時

「何のために頑張るのか?」を見失った時

 

モチベーションの波を理解することのメリット

  1. 自分のモチベーションのパターンを知ることで、低下した時の立て直しが早くなる

 

  1. 上がった時に最大限活用することで、パフォーマンスの爆発力を生み出せる

 

  1. 長期的な競技生活を維持しやすくなる

「燃え尽き症候群(Burnout)」を防ぐ

スポーツ心理学の研究では、「競技者が自身のモチベーションの波を理解しているほど、長期的な成果を出しやすい」(Roberts et al., 2019)。

 

モチベーションを管理する方法(実践ポイント)

  1. トリガーを知る

「自分がやる気になる瞬間」をリスト化し、意識的に取り入れる

 

  1. ルーティン化

モチベーションに左右されない「行動の仕組み」を作る

 

  1. 短期的な成功を積み重ねる

小さな達成感を得ることで、継続しやすくなる

 

最後のメッセージ

モチベーションはただ湧いてくるものではなく、意識的にコントロールできるもの。 上がる瞬間を最大限活かし、下がるときには適切にリカバリーすることで、あなたの競技人生は確実に進化する。

もし今、「なかなかやる気が出ない…」と感じているなら、少しだけ立ち止まってほしい。 あなたが過去に「本気になれた瞬間」は、どんな時だっただろう? 何を見て、何を感じて、「やるぞ!」と思った?

その感覚を意識して呼び戻せば、また一歩踏み出せるはずだ。 そして何より、あなたの持っている力は、まだまだ眠っている。

「あなたは、どんな時にモチベーションが上がる?」 この問いに答えられるようになることが、成長の鍵を握る。

今こそ、自分の波を知り、最大限に活用するタイミングだ。

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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