スポーツメンタルコーチ上杉亮平
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追う者であり続ける強さ──ジル・エリスに学ぶ挑戦者のメンタルと人生のルール

 

世界の頂点に立つ者は、どんなメンタルを持っているのか。 元アメリカ女子サッカー代表監督、ジル・エリス。 彼女はチームを ワールドカップ2連覇 に導いた名将だが、その哲学は挑戦者寄りと言える。

 

彼女はこう語る。

 

「追われるよりも、追う方が好き。」 「期待されない方が楽。」

 

普通、トップに立つ者は「追われる側の重圧」を語られることが多い。だけどジル・エリスは違う。 彼女は王者のメンタルではなく、 挑戦者のメンタル を持ち続けた。

その生き方は、競技者にとって強烈なヒントになる。 ここでは、彼女の人生・哲学・失敗・信念を軸に、 「追う側であり続ける強さ」を深く掘り下げていく。

 

王者を引き継いだ瞬間から始まった挑戦者の戦い

2014年、ジル・エリスはアメリカ女子代表監督に就任した。 その時点でチームは 世界ランキング1位。 オリンピック金メダルもとっていた。 誰もが認める最強チーム。

つまり、彼女は追われる側のチームを引き継いだ。

 

そしてその勢いのまま、2015年のワールドカップでは優勝。 順当すぎるほど順当な結果だった。 誰もが「勝って当然」と思っていた。

 

しかし、彼女はその状況をこう捉えていた。

 

「トップにいると、競い合うのは自分自身。」

 

スポーツの失敗の本質はここにある。 相手ではなく、自分との戦いになる。 そして、 最高の状態を維持することが最も簡単ではないということ。

王者でいることは、挑戦者よりも苦しい。 だからこそ、彼女は追う側でいたかった。

 

山頂は狭く息苦しい

──だからこそ、居座らない

2016年、ワールドカップの翌年はオリンピック。 最初のミーティングで、彼女は選手たちに山頂の写真を見せた。

 

「私たちは山頂に登りつめた。世界一は誇らしい。 だけど山頂は狭く、息苦しい。 山頂には居座らない。借りているだけ。 景色を楽しんだら、また登る。」

 

この言葉には、彼女の哲学が詰まっている。

 

  1. 王者でいることに執着しない

 

  1. 守るのではなく、再び目指す

 

  1. 常に挑戦者であり続ける

 

そしてこう続けた。

 

「過去にワールドカップと五輪を連続で優勝したチームはない。」

 

だからこそ、原点に戻り、謙虚に挑戦してほしかった。 王座を守るのではなく、 もう一度、王座を目指すチームでいてほしかった。

 

そして訪れた挫折

──2016年オリンピック敗退

しかし、現実は厳しかった。 2016年のオリンピック、準々決勝でスウェーデンにPK負け。

試合前から、チーム全体にどこかぼんやりした空気があったという。 集中しきれていない。 挑戦者の鋭さがない。

結果は、アメリカ代表史上最低の成績。

 

ジル・エリスはこう語る。

 

「今は何を言っても事態を良くすることはできない。 この結果は私の責任。」

 

しかし、この敗北こそが 彼女自身とチームを目覚めさせた最大のレッスン になった。

 

彼女の信念のひとつ。

 

「勝利は分かち合い、敗北は認める。」

 

敗北を受け止めることでしか、次の挑戦は始まらない。

 

批判・解任要求・選手からの反発

──それでも信念を曲げない

敗退後、彼女はチーム改革に着手した。

 

  1. 新しい練習方法

 

  1. 過酷なスケジュール

 

  1. 選手の入れ替え

 

  1. 失敗と改善の繰り返し

 

当然、メディアからは叩かれ、世間からは 解任要求も出た。 選手からも批判された。

しかし、彼女は折れなかった。

 

支えたのは、海軍特殊部隊の教え。

 

「困難な時は、つかまり、方向を見失うな。」

 

批判に合わせていたら務まらない。 選手の意見に迎合していたらチームは崩れる。

だからこそ、 自分の信念を貫いた。

その結果、2018年のトーナメントで優勝。 改革は正しかったと証明された。

 

リスクを恐れない人生

──情熱を選び続けた人間

ジル・エリスの人生は、挑戦の連続。

 

子ども時代

イギリスでは女子がサッカーをする文化がなく、 彼女自身もプレーしていなかった。

15歳でアメリカに移住し、そこで初めて本格的にサッカーと出会う。

 

社会人時代

大学卒業後はオフィスワーク(テクニカルライター)。 年収4万ドル。安定した生活。

しかし、彼女は気づく。

 

「やっぱりサッカーに関わりたい。」

 

そして、年収6千ドルの大学コーチへ転身。 収入は大幅ダウン。 それでも、彼女は迷わなかった。

 

 

「貯金の額ではなく、決断において自分が楽しめるかどうか。」 「お金より情熱。」

 

この決断が、人生最大の転機になった。

 

サッカーコーチの全てが好き、私にはこれしかないと感じた。

 

私にはこれしかないと感じた。
この感覚は自分にとってのスポーツメンタルコーチという仕事だと同じ感じだなと勝手に共感しました。

 

自分をさらけ出す勇気

──信念は人を強くする

UCLAやイリノイ大学でコーチをしていた頃、 彼女は自分がゲイであることをチームに伝えるか迷っていた。

当時は理解が少なく、リスクも大きかった。

しかし、彼女は伝えることを選んだ。

その結果、 チームはよりまとまり、一体感が生まれた。

 

そして彼女はこう語る。

 

「自分をさらけ出した時、目的が見えた。」

 

自分に正直であること。 信念を曲げないこと。 これは、競技者にとっても最強の武器になる。

 

そして2019年ワールドカップ連覇

批判、改革、挑戦、信念。 そのすべてが結実し、2019年ワールドカップ優勝。 史上初の連覇。

彼女は堂々と発言し、 公正な報酬を要求し、 サポーターも味方につけた。

アメリカ代表監督として132試合。 最後の試合も勝利で締めくくった。

そして彼女は言う。

「サッカーは私にすべてをくれた。」

 

まとめ

──追う者であり続ける強さ

ジル・エリスの人生と哲学をまとめると、こうなる。

 

  1. 追われるより、追う側でいたい

 

  1. 期待されない方が楽

 

  1. 王者に居座らず、再び山を登る

 

  1. 敗北は最大のレッスン

 

  1. 批判に流されず、信念を貫く

 

  1. リスクは恐れるものではなく、機会

 

  1. 自分に正直であることが強さを生む

 

  1. 情熱を選ぶ人生は、必ず自分を成長させる

 

彼女は王者のメンタルではなく、 挑戦者のメンタルを大事にし続け世界を制した。

あなたが今どの位置にいようと、 この信念・哲学は必ず力になる。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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