柔軟な心の育て方──思い通りにいかない試合や練習で折れないために

「思い通りにならないことを、思い通りにしようとするから苦しくなる」──これは、競技者として生きる中で何度も突き当たる壁かもしれません。
試合の結果、周囲の評価、タイミング、環境、、、自分の思い通りにはならないことがある。むしろ、ならないことの方が多い。なのに、私たちはそれをなんとかしようとする。思い通りにしようと、力を入れて、焦って、悩んで、苦しくなる。
そもそも──
思い通りにならないことがあるのは、当たり前
競技の世界は、変数だらけです。天候、相手の状態、審判の判断、自分の体調、予期せぬトラブル、、、どれもコントロールできないものばかり。
それなのに、私たちは「思い通りにいかない=失敗」と捉えてしまう。
でも本当は、思い通りにいかないことがあることは普通であり、前提であり、スタートラインなのです。
では、どうすればいいのか。
「どうにかなるさ」の柔軟心
思い通りにならなかったときこそ、試されるのは柔軟さ。
「どうにかなるさ」
この言葉は、ただの楽観ではありません。むしろ、現実を受け入れた上で、そこから自分の力を発揮するための構えです。
思い通りにならなかった現実の中で、どうにかなった状況の中で、精一杯やる。
それが、競技者としてのしなやかな強さにつながっていきます。
そしてもうひとつ、大事な視点があります。
競技の世界には、自分では動かせないものが山ほどあります。 天候、相手の状態、審判の判断、試合の流れ、身体の反応、タイミング、、、どれも自分の思い通りにはならない。 むしろ、ならないことの方が普通です。
それなのに、私たちはどこかで 「全部をコントロールできないと不安になる」 「全部を思い通りにいかないと焦る」 という感情にかられてしまう。
本当に大事なのはそこじゃない。
最終的な着地が思い通りになっていれば、それでいい。
ここでいう最終は、今日や明日の話じゃない。 試合の結果でも、今月の調子でもない。
もっと長いスパン、競技人生、いや人生を終えるその瞬間までを含めた最終地点のこと。
途中で揺れても、乱れても、計画が崩れても、 最後に「自分が望む方向に進めている」と感じられれば、それで十分なんです。
むしろ、競技者に必要なのは すべてをコントロールする力ではなく、 思い通りにならない時間をどう扱うかという柔軟さ。
その柔軟さがあるからこそ、 途中で揺れても、乱れても、焦っても、 最終的には自分の望む場所に戻ってこられる。
だからこそ、思い通りにいかない瞬間にこそ、 「まあ、最終的に整えばいいか」 「ここからどうにかしていけばいい」 そんな余裕のある捉え方が必要なんです。
一時的に思い通りにいったときほど、気をつけろ
成功した。上手くいった。結果が出た。
そんなときこそ、注意が必要です。
なぜか?
「結果オーライ」という言葉があります。
タイミングが悪くても、判断を誤っていても、たまたま上手くいくことはある。
それによって、判断ミスや準備不足が成功の影に隠れてしまう。意識されなくなる。改善されない。
そして次の挑戦で、同じミスが結果オーライでは済まなくなる。
だからこそ、成功したときほど「なぜ上手くいったのか?」を問い直すことが大切。
常に「実験の心」を持つ
競技も、人生も、実験の連続です。
新しい練習法を試す。新しいフォームを探る。新しいメンタルの整え方を試す。
そのすべてが、実験。
そして、実験は失敗して当たり前。
失敗して、また試して、また失敗して、ようやく一つの成功にたどり着く。
この「実験の心」を持てたとき、失敗は怖いものではなく、必要なものになります。
コントロールできるものと、できないものを分ける
結果はコントロールできる?できない?
答えは──できない。
どれだけ準備しても、どれだけ努力しても、結果は確定されたものではありません。
では、何がコントロールできるのか?
- 自分の準備
- 自分の思考
- 自分の行動
- 自分の捉え方
これらは、すべて自分の内側にあるもの。
つまり、競技者が本当に向き合うべきなのは、常に自分自身であるということ。
思い通りにならない現実の中で、どう生きるか
思い通りにならないことは、避けられない。
でも、思い通りにならなかったときに「どうにかなるさ」と受け止めて、そこから自分の力を発揮できるかどうか。
それが、競技者としての本当の強さにつながっていきます。
そして、成功したときほど「なぜ上手くいったのか?」を問い直す。
失敗したときほど「何を試したのか?」を振り返る。
その繰り返しが、競技者としての軸を育てていきます。
最後に
──柔軟な心を手に入れる
「どうにかなるさ」
この言葉を、ただの気休めにしないでください。
これは、競技者が思い通りにならなかった時の現実と向き合うための、ひとつの方法です。
柔軟な心は、身につけられる、育てられる。
実験の心を持ち、失敗を受け入れ、成功を問い直し、コントロールできるものに集中する。
その積み重ねが、やがてあなたを「結果に相応しい自分」へと導いていきます。
そしてその歩みこそが、競技者としてのしなやかな強さを育てていくのです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
コラム著者