スポーツメンタルコーチ上杉亮平
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目標は高くていい──自信がない人こそ挑戦すべき理由と一歩の踏み出し方

 

目標を低く設定してしまうあなたへ

──自信の壁を越えて可能性を開く思考整理

 

「自信がないから、目標は低めにしておこう」

 

「高すぎると達成できなかったときに落ち込むから」

 

「現実的なラインで、無理なくやれる範囲で」

 

そんなふうに、自分の目標を“控えめ”に設定してしまう人は少なくない。 それは決して悪いことではない。 むしろ、慎重で誠実な姿勢とも言える。 でも、もしその背景に「自分には無理かもしれない」という思いがあるなら── それは、可能性を自分で狭めてしまっているかもしれない。

 

自信がないから、目標を低くする

人は、自分に対して確信が持てないとき、 「失敗しない範囲」で物事を選ぼうとする。 それは自然な防衛反応だ。 過去に傷ついた経験がある人ほど、 「もうあんな思いはしたくない」と思うのは当然だ。

でも、目標を低く設定することで、 本当に望んでいた未来から遠ざかってしまうことがある。 そしてそのことに、気づかないまま日々を過ごしてしまう。

 

目標設定は、自己評価の鏡

心理学では「自己効力感(self-efficacy)」という概念がある。 これは「自分はこの状況でうまくやれる」という感覚のこと。 自己効力感が高い人は、困難な課題にも挑戦しやすく、 低い人は、簡単な課題でも避けようとする傾向がある。

つまり、目標の高さは、自分に対する信頼度を映し出している。 そしてその信頼度は、過去の経験・周囲の評価・失敗の記憶などによって、 知らず知らずのうちに形作られている。

 

自信がないことは、悪ではない

ここで誤解してほしくないのは、 「自信がないこと=悪いこと」ではないということ。

 

自信がないからこそ、慎重に準備できる。

 

自信がないからこそ、他者に配慮できる。

 

自信がないからこそ、謙虚に学べる。

 

でも、自信がないことを理由に、 本当に望む目標を避けてしまうのは、もったいない。

 

目標は「心が動くもの」に設定していい

目標は、現実的である必要はない。 むしろ、心の底から「達成したい」と思えるものであるべきだ。 それが高すぎるように感じても、 ワクワクするなら、それでいい。 「本当にやりたい」と思えることに向かっているとき、 人は驚くほどの力を発揮する。

心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンによる「自己決定理論」では、 人が最もモチベーションを高めるのは、 「自分が選び、自分が望んでいること」に取り組んでいるときだとされている。

つまり、目標は「やらなきゃ」ではなく「やりたい」であるべき。 その方が、継続力も、創造性も、回復力も高まる。

 

高い目標を掲げることは、逃げではなく挑戦

「高すぎる目標は現実的じゃない」

 

「もっと手の届く範囲で考えた方がいい」

 

そんな声が聞こえてくるかもしれない。 でも、本当に達成したいと思っているなら、高くていい。

高い目標を掲げることは、現実逃避ではない。 それは、自分の可能性を信じるという選択だ。 そしてその選択は、時に周囲から理解されないこともある。 でも、自分の人生を生きるのは、自分自身だ。 誰かの“現実的”よりも、自分の“本気”を信じていい。

 

小さな一歩が、現実との距離を埋める

目標が高いことは問題じゃない。 問題なのは、「高い目標に向かう行動がないこと」だ。

たとえば、オリンピックの舞台に立ちたいと思っている人がいたとして、 その目標が高すぎると感じるなら、 まずは「毎日30分練習する」「週に1回フィードバックをもらう」など、 今の自分にできる小さな行動を積み重ねることが大切。

この小さな一歩が、現実との距離を埋めてくれる。 そしてその積み重ねが、やがて「自信」になる。

 

自信は、行動のあとに育つ

多くの人が「自信がついたら挑戦する」と言う。 でも実際は、挑戦するから自信が育つ。 行動して、失敗して、また立ち上がって、 その繰り返しの中で、少しずつ「自分はやれるかもしれない」が育っていく。

だからこそ、目標を低くする前に、 「本当にやりたいことは何か?」 「それに向かって、今できる一歩は何か?」 と問いかけてみてほしい。

 

文化的背景にも目を向ける

日本では「謙虚さ」や「控えめであること」が美徳とされる文化がある。 「出る杭は打たれる」「高望みは慎め」──そんな言葉が、 知らず知らずのうちに、目標設定の仕方に影響を与えている。

でも、時代は変わっている。 個の力が問われる時代。 自分の可能性を信じて、挑戦する人が、 新しい価値を生み出していく時代。

だからこそ、文化的な“遠慮”に縛られすぎず、 自分の本音に耳を傾けてほしい。

 

可能性を閉じない生き方

自信がないことは、誰にでもある。 でもそれを理由に、目標を低く設定してしまうと、 自分の可能性を自分で閉じてしまうことになる。

目標は、心が動くものに設定していい。 高くてもいい。 その代わり、そこに向かうための小さな一歩を、 今日から踏み出していこう。

その一歩が、やがて自信になり、 自信が、次の挑戦を生み、 挑戦が、可能性を広げていく。

可能性は、誰かに与えられるものじゃない。 自分で選び、自分で育てるもの。

だからこそ、 「自信がないから、目標を低くする」ではなく、 「本当にやりたいことに向かって、小さな一歩を踏み出す」 そんな生き方を、選んでいこう。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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