練習が続かない嫌な理由は“習慣”だった──自分を変えるメンタルの整え方

負の感情は、習慣から生まれる
「最近、練習が楽しくない」 「やる気が出ない」「サボり癖が抜けない」 そんな声を、選手から聞く事があります。
でも、それはあなたの“意志”が弱いからではありません。 多くの場合、習慣が感情をつくり、感情が行動を止めているのです。
たとえば、朝起きてスマホを見て、SNSで他人と自分を比べる。 その瞬間、脳は「自分は足りない」と認識し、やる気を削ぎます。 そのまま練習に向かえば、集中できず、成果も出ない。 そして「やっぱりダメだ」と思い、また同じ習慣に戻る── これが、負のループです。
このループは、気づかないうちに日常に染み込み、 競技者としての自信や集中力をじわじわと削っていきます。
自分を責める前に、自分をほめていますか?
たとえば、
- 朝起きた
- 練習に向かった
- 少しでも体を動かした
- 悩みながらも、競技を続けている
これらは、すべて「行動」です。 そして行動は、脳にとって“成功体験”です。
小さな行動をほめることで、脳は「自分はできる」と認識し、 次の行動へのエネルギーを生み出します。
逆に、「まだまだ」「全然ダメ」と自分を責め続けると、 脳は「自分はできない」と記憶し、行動を止めるようになります。
競技者にとって、自分をほめることは甘えではなく、脳のスイッチを入れる技術なのです。
トカゲ脳と論理脳
──脳の仕組みを味方につける
人間の脳には、原始的な「トカゲ脳(爬虫類脳)」と、 思考や判断を司る「論理脳(前頭前野)」があります。
- トカゲ脳:
感情・反射・恐怖・怠惰を司る。変化を嫌う
- 論理脳:
計画・判断・自己制御を司る。変化を望む
習慣がトカゲ脳に根付くと、変化を拒むようになります。 「練習したくない」「面倒くさい」「今日はやめよう」 これらは、トカゲ脳の反応です。
でも、小さな成功体験を積み重ねることで、論理脳が活性化し、習慣を書き換える力が生まれる。 つまり、「自分をほめること」は、脳のスイッチを切り替える行為なのです。
さらに、トカゲ脳は「快」と「不快」に敏感です。 練習が苦痛だと感じると、脳はそれを避けようとします。 だからこそ、練習に“快”を混ぜる工夫が必要になります。
悪い習慣を断ち、今を生きる
過去の失敗や、未来の不安に囚われていると、 今この瞬間の行動が止まります。
でも、今を生きること=今の習慣を変えることです。
たとえば、
- 朝のスマホをやめて、深呼吸する
- 練習前に「今日の目標」を紙に書く
- 終わった後に「できたこと」をひとつ書き出す
これだけで、脳は「自分は変われる」と認識します。 そして、感情が整い、行動が変わり、結果が変わる。
競技者にとって「今を生きる」とは、 今の習慣を選び直すことでもあります。
習慣は「楽しい」に混ぜると続く
「新しい習慣を手に入れたい」 「でも、続かない」「練習が楽しくない」
そんなときは、やりたくないことに“やりたい”を混ぜるのがコツです。
- 音楽を聴きながらストレッチする
- お気に入りのウェアを着て練習に向かう
- 練習後に好きなカフェに寄る
- SNSで「今日の一歩」を記録する
- 仲間と一言だけでも感想を共有する
これらは、脳に「快」の記憶を残す工夫です。 習慣は、快と結びつくことで定着します。
また、習慣化の初期段階では「完璧を目指さない」ことも重要です。 1日5分でも、1回でも、行動したらそれを認める。 その積み重ねが、やがて「やらないと気持ち悪い」状態へと変わっていきます。
自分との約束が、未来を変える
競技者は、常に「結果」に晒されています。 だからこそ、外側の評価に振り回されがちです。
でも、本当に大切なのは、自分との約束を守ること。 「今日、練習に行く」 「今日、少しでも動く」 「今日、自分をほめる」
この小さな約束が、未来を変えます。 そしてその約束を守るたびに、あなたの脳は「自分は信頼できる」と認識し、 競技者としての軸が育っていきます。
自分との約束を守ることは、自己信頼の土台です。 それがあるからこそ、プレッシャーの中でも自分を保てる。 結果が出ない時期でも、競技を続けられる。
最後に
──その一歩を、今ここから
もし今、 ・習慣を変えたい ・メンタルを整えたい ・競技をもっと楽しみたい そう思っているなら、その感情こそがスタートラインです。
行動は、感情から生まれます。 そして行動が、習慣を変え、未来を変えます。
もしあなたが、 「自分との約束を守りたい」 「でも、どうすればいいかわからない」 そう感じているなら──
まずは、体験コーチングという“対話の一歩”を踏み出してみてください。 これは、あなたの中にある「変わりたい」を、 「変われる」に変えるための時間です。
私、上杉亮平は、競技者の“心の土台”を育てるために、 日々、言葉と対話を通じてサポートしています。
あなたの中にある「小さな約束」を、 一緒に守り続けるために。
最後までお読み頂きありがとうございました。
コラム著者