スポーツメンタルコーチ上杉亮平
試合で力を発揮できないあなたへ、心の土台を整える伴走者
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“できない”を変える魔法の言葉|競技者のための脳と心の整え方

 

結果が思うように出ない。悔しい。自分には才能がないのではないか。 そんな思いが胸をよぎるとき、競技者の心は静かに揺れます。 努力しても報われない日々。周囲の成長と自分の停滞。 「これ以上は無理かもしれない」──そう思った瞬間、未来の扉は音もなく閉じてしまいます。

けれど、ほんの一言が、その扉を再び開く鍵になります。 それが、「今はまだできていないだけ」という言葉です。

 

「できない」が脳を止めてしまう

脳科学の研究によれば、「できない」「無理だ」といった否定的な言葉を繰り返すことで、脳はその状態を“確定事項”として認識し、成長の回路を閉じてしまいます。 つまり、「できない」と言った瞬間、脳はそれ以上の可能性を探すことをやめてしまうのです。

一方で、「今はまだできていないだけ」と言い換えることで、脳は“未完了”として認識します。 この微細な言葉の違いが、脳の可塑性──つまり変化と成長の可能性──を引き出すスイッチになります。

「まだ」という言葉には、未来への余白があります。 「だけ」という言葉には、今の状態を限定的に捉える優しさがあります。 この言葉を自分にかけるだけで、脳は“伸びしろ”を感じ取り、再び動き出してくれるのです。

 

固定マインドと成長マインド

心理学者キャロル・ドウェック教授は、長年にわたり「マインドセット」の研究を続けてきました。 彼女の理論によれば、人は大きく分けて二つのマインドセットを持っています。

 

  1. 固定マインド(Fixed Mindset)  能力は生まれつき決まっていると考え、失敗を“自分の限界”と捉える。

 

  1. 成長マインド(Growth Mindset)  能力は努力と経験によって伸ばせると考え、失敗を“学びの機会”と捉える。

 

競技者にとって、この違いは決定的です。 固定マインドのままでは、失敗が自己否定に直結し、挑戦する勇気を奪ってしまいます。 一方、成長マインドを持つことで、失敗は“通過点”となり、挑戦は“自己拡張”の手段になります。

そしてこのマインドセットは、言葉の習慣によって育まれます。

 

「できない」ではなく「まだできていないだけ」。

 

「失敗した」ではなく「試した結果、うまくいかなかっただけ」。

 

こうした言葉を自分にかけ続けることで、脳と心は少しずつ、成長マインドへとシフトしていきます。

 

未来のドアは開きっぱなしです

競技の世界では、結果がすべてのように見える瞬間があります。 けれど、結果は“今この瞬間の点”でしかありません。 その点をどう意味づけるかによって、未来の線は変わっていきます。

「失敗したから終わり」ではなく、「失敗したからこそ、次がある」。 この言葉の転換が、未来のドアを閉ざすのではなく、開きっぱなしにしてくれます。

そしてそのドアは、誰かに開けてもらうものではありません。 自分の言葉で、自分の手で、開け続けるものです。

 

魔法の言葉を習慣にする

このコラムを読んでくださっているあなたが、もし今、結果が出ずに悩んでいるなら── まずは、今日一日、自分にかける言葉を変えてみていただきたいのです。

 

  1. 「できない」 → 「今はまだできていないだけ」

 

  1. 「無理かもしれない」 → 「どうすればできるかを考えてみよう」

 

  1. 「才能がない」 → 「この経験が自分を育ててくれる」

 

言葉は、思考の入り口であり、感情の通訳であり、未来の設計図でもあります。 そして何より、自分自身との信頼関係を築くための大切な道具です。

競技者にとって、最も長く付き合うのは、自分自身の声です。 その声が、優しく、力強く、未来を信じているものであるなら── どんな結果も、どんな揺らぎも、成長の糧になります。

 

 最後に

──その言葉が、あなたを動かします

「今はまだできていないだけ」──この言葉は、魔法ではありません。 けれど、魔法のように、心と脳を動かす力を持っています。

言葉の選び方ひとつで、脳の働き方が変わり、マインドの在り方が変わっていきます。 それは、競技力の土台となる“心の土台”を育てることでもあります。

とはいえ、こうした言葉の習慣を日々の中で育てていくことは、簡単なことではありません。 結果に揺れる日々の中で、自分に優しい言葉をかけ続けるには、時に誰かの伴走が必要になることもあります。

私はスポーツメンタルコーチとして、競技者の心に寄り添いながら、言葉・習慣・実践の面から、競技力の土台となる“メンタル”を整えるサポートをしています。

言葉は、思考の入り口であり、感情の通訳であり、未来の設計図でもあります。 だからこそ、日々の言葉を整えることは、心を整えることにつながっていきます。

もし今、「整えたい」「変わりたい」と感じている方がいらっしゃるなら── まずは、体験コーチングというかたちで、言葉と心の関係を一緒に探ってみるのも、ひとつのきっかけになるかもしれません。

あなたの未来は、まだ書きかけのまま。 その続きを描くのは、あなた自身の言葉です。 その言葉が、あなたの脳を動かし、心を動かし、やがて競技の景色を変えていくはずです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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