スポーツメンタルコーチ上杉亮平
試合で力を発揮できないあなたへ、心の土台を整える伴走者
~アスリートを自己実現へと導く~
メニュー

小さな言葉が心を削る──競技者が抱える見えない重荷

 

最近、これまで以上に「言葉の使い方」に意識が向くようになった。

 

自分自身が言葉を扱う仕事をしているからこそ、日常の何気ない一言にまで敏感になっているのだと思う。

 

そして、その細かな違和感が、選手のパフォーマンスや競技への向き合い方にどれほど影響を与えているかを、改めて実感するようになった。

 

 

たとえば、こんな言葉を耳にすることがある。

 

「勝たなければいけない」 「勝って当たり前」

 

スポーツの現場では、決して珍しい言葉ではないでしょう。

 

むしろ、当たり前のように飛び交っている。

 

だけど、ある時ふと、この言葉を聞いた瞬間に腑に落ちない感覚が胸に残った。

 

 

「勝たなければいけない試合って、なんだろう?」

 

「勝って当たり前の試合なんて、本当に存在するのだろうか?」

 

 

もちろん、状況としては理解しようと思えば理解できる。

 

【目標があり、その目標を達成するためには次の試合に勝つ必要がある。】

 

特に何の意識もしていなければ、何の違和感もなく聞き流せるんだと思う。

 

そして、

 

【ランキング、実力差、周囲の期待、そういった要素が「勝って当たり前」という空気をつくることもある。】

 

だけど、それでもなお、どこか引っかかる。

 

いつから「勝つこと」が義務になったのだろう。 そもそも目標とは、誰のために設定しているのだろう。

 

 

達成したい気持ちはわかる。勝ちたい気持ちもわかる。 だけど、「勝たなければいけない」という言葉には、どこか自分の意思が抜け落ちているように感じる。

 

 

そして、もう一つ。

「勝って当たり前」という言葉は、どれほど実力差があろうと、どれほど周囲がそう評価していようと、実際には成立しない。

 

 

スポーツは生き物。

その瞬間のコンディション、環境、相手の状態、メンタル、流れ、どれか一つが変わるだけで、結果は簡単に揺らぐ。

 

だからこそ、結果が当然の試合など存在しない。 私はそう思っている。

 

だけど、こうした言葉は、選手の心に静かに入り込み、気づかないうちに重荷となる。

 

「勝たなければいけない」という言葉は、選手の視野を狭め、プレーの自由度を奪い、失敗への恐怖を増幅させる。 「勝って当たり前」という言葉は、勝っても喜べず、負ければ過剰に自分を責める構造をつくる。

 

言葉は、思っている以上に選手のパフォーマンスを左右する。

 

私はスポーツメンタルコーチとして、こうした些細な言葉に限らず、あらゆる些細なことが積み重なった結果、後々大きな影響を生む場面を見てきた。

 

選手自身が発する言葉、指導者が投げかける言葉、チーム内で共有される言葉、その一つひとつが、選手の思考の癖や感情の流れ、試合中の判断にまで影響を与えていく。

 

たとえば、ある選手は「勝たなければいけない」という言葉を自分に課し続け、試合前になると極端に緊張し、身体が固まってしまうようになった。

 

「勝たなければいけない」という義務感が強くなるほど、プレーは硬直し、判断は遅れ、ミスが増えた。

 

そして「勝って当たり前」と言われ続けた結果、勝っても達成感を得られなくなった。

 

勝利がゼロ地点になり、少しでも内容が悪いと自分を責める。

 

負ければ「終わりだ」と感じてしまう。

 

その結果、競技そのものが苦しくなり、パフォーマンスも下降する悪循環。

 

 

こうした変化は、突然起こるわけではなく、 ほんの小さな違和感、些細な言葉の積み重ねが、時間をかけて選手の心を蝕んでいく。

 

だからこそ、私はちょっとした言葉の扱いにまでこだわる。

 

選手が自分自身にどんな言葉を使っているのか。 指導者がどんな言葉を投げかけているのか。 チームの空気をつくる言葉は何か。

 

そして自分自身の言葉遣いはどうか?

 

その細部に目を向けることが、選手の未来を守ることにつながる。

 

 

「勝ちたい」は選手の意思。

「勝たなければいけない」は義務。

 

この違いは小さいようで大きい。

 

1つの捉え方として、

「勝ちたい」はエネルギーになる。 「勝たなければいけない」はプレッシャーになる。

 

 

同じ勝利を目指していても、言葉が変わるだけで心の動きはまったく違う。

 

私は、選手が自分の意思で競技に向き合えるようにサポートしたい。

 

そのためには、言葉の選び方がとても重要になる。

 

言葉は、選手の思考を形づくり、感情を動かし、行動を変える。

 

そして、行動の積み重ねがパフォーマンスをつくる。

 

つまり、言葉はパフォーマンスの入口とも言える。

 

小さな言葉の違いが、後々大きな差になる。

これは、スポーツメンタルコーチとしての実感であり、確信でもある。

 

だからこそ、私はこれからも言葉にこだわり続けたい。

 

選手の心に寄り添い、選手自身が自分の言葉で競技に向き合えるように。 そして、競技人生がより豊かで、より自分らしいものになるように。

 

言葉は、ただの音ではない。 選手の未来をつくる種。

その種をどう育てるかは、日々の小さな選択にかかっている。

是非小さな事ほど拘ってほしい。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

その他のおすすめ記事

愛知産業大学三河高等学校剣道部訪問記 先日、素敵なご縁をきっかけに、愛知産業大学三河高等学校剣道部でセミナーを開催さ‥ 続きを読む
手放した瞬間に聞こえてきた本当の声──習慣を崩すことで見える自分の真実 前回のコラムで私は、「辞めたら負け」という幻‥ 続きを読む
現状維持は敵か?味方か? あなたは今、新しいチャレンジをしていますか? 突然だけれど、あなたは今、何か‥ 続きを読む

【完全無料】アスリート必見!
心の壁を乗り越え
ベストパフォーマンス引き出す5つの秘訣!