スポーツメンタルコーチ上杉亮平
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雰囲気はメンタルがつくる──“静かな支配力”を持つ選手の心理構造と心の深さ

 

「なんか、やりそうだな」と思わせる選手の正体

試合前、まだプレーが始まっていないのに、 「この選手、なんかやりそうだな」 「このチーム、空気が違う」 そう感じたことはありませんか?

それは、技術や体格だけでは説明できない“雰囲気”の力です。 そしてその雰囲気は、メンタルがつくるのです。

雰囲気とは、目に見えないけれど確かに存在する“空気”。 それは、心の深さが生み出す、静かで力強いメッセージです。

 

雰囲気とは「心の質がにじみ出たもの」

心理学では、雰囲気は「非言語的な情報の集合体」とされます。 表情、姿勢、視線、声のトーン、動作のリズム── これらはすべて、心の状態によって変化するのです。

 

たとえば、緊張しているときは
  • 呼吸が浅くなる
  • 表情がこわばる
  • 声が上ずる
  • 姿勢が縮こまる

 

逆に、心が整っているときは
  1. 呼吸が深くなる
  2. 表情が柔らかくなる
  3. 声が落ち着く
  4. 姿勢が自然に伸びる

 

つまり、雰囲気とは“心の質”が外に現れたもの。 それは、隠そうとしても隠しきれない“にじみ出る力”なのです。

 

「やりそうな選手」の共通点──心の深さが空気を変える

 

自己効力感が高い  経験と準備に裏打ちされた「自分はできる」という感覚が、表情や態度ににじみ出る。

 

心の準備ができている  本番に向けて心と身体が整っているからこそ、余裕が生まれ、雰囲気に深みが出る。

 

周囲に影響を与える  その人がいるだけで、安心感と緊張感が共存する。メンタルの安定が空気を変える。

 

“静かな力”を持っている  声を張らずとも存在感がある。内側の軸がぶれていないからこそ、空気を支配できる。
 

雰囲気の“静かな支配力”──沈黙が語る選手の心理的構造

「声を張らずとも、空気を変える選手がいる」 それは、ただ黙っているのではなく、“沈黙の中に意志がある”選手です。

試合前の円陣、ベンチでの待機時間、相手と向き合う一瞬の間。 その沈黙の中に、揺るがない覚悟や集中がにじみ出ている選手がいます。

この“静かな支配力”は、どこから生まれるのでしょうか?

 

1. 沈黙に耐えられる心の強さ

沈黙を“間”として使える人は、内側に確かな軸がある。 その軸があるからこそ、言葉に頼らずとも空気を支配できる。

 

2. 非言語の精度が高い

表情、視線、呼吸、立ち姿──すべてが一貫しており、ブレがない。 言葉よりも雄弁な“空気のメッセージ”を発している。

 

3. 内的エネルギーの質が高い

怒りや焦りではなく、集中・覚悟・信念といった“静かな熱”を持つ。 その静けさに、周囲は圧倒される。

 

4. “語らない”ことで信頼を得る

沈黙には“余白”がある。 その余白に、周囲は意識を向け、結果としてその人が“場の中心”になる。

 

5. 静けさは、最も強いメッセージになることがある

声の大きさではなく、心の深さが空気を変える。 沈黙の中にある集中と覚悟は、言葉を超えて伝わる“本気の気配”。

 

チーム全体の雰囲気もメンタルの集合体

個人だけでなく、チームの雰囲気もメンタルの集合体です。

 

  1. 共通の目標があるか

 

  1. 信頼関係があるか

 

  1. 声かけがポジティブか

 

  1. ミスに対する空気がどうか

 

これらが整っているチームは、試合前から「やりそう」と思わせる雰囲気を持っています。 逆に、バラバラなチームは、プレー以前に“空気”で負けてしまうこともあります。

 

メンタルを整えることで雰囲気は変わる

では、どうすれば“雰囲気がある選手”になれるのでしょうか?

 

  1. 自己対話を整える

  2. 呼吸を整える
  3. 姿勢を整える
  4. 意識を整える

 

 

終わりに──雰囲気は“心の質”がつくる

雰囲気とは、技術でも言葉でもつくれないもの。 それは、心の質がにじみ出た空気であり、 その人がどんな姿勢で競技と向き合っているかが、静かに伝わるものです。

本気で生きている人には、本気の雰囲気がある。 迷いをごまかさず、自分と向き合ってきた人には、深みのある空気がある。 その空気は、言葉を超えて周囲に伝わり、信頼や緊張感を生み出します。

雰囲気は、瞬間的につくるものではありません。 それは、日々の自己対話・準備・選択の積み重ねによって育まれるものです。

 

  1. 自分にどんな言葉をかけているか

 

  1. どんな姿勢で日々を過ごしているか

 

  1. どんな意識で本番に臨んでいるか

 

こうした“内側の習慣”が、やがて“外側の空気”となってにじみ出る。 それが、雰囲気の正体です。

私は、スポーツメンタルコーチとして、 選手の技術や言葉以上に、その人がまとう“空気”に注目しています。

雰囲気は、心の深さがつくる。 そしてその深さは、日常の選択と覚悟の中で育つ。

今日、どんな言葉を自分にかけるか。 どんな姿勢で目の前の時間を過ごすか。 そのすべてが、あなたの雰囲気をつくっていく。

雰囲気は、競技者の“生き方”そのもの。 そしてそれは、勝負の前から、すでに空気を変えている。

「なんか、やりそうだな」 そう思わせる選手は、特別な才能を持っているわけではありません。 ただ、日々の選択に誠実であり続けている人です。

その誠実さが、心の深さを生み、 その深さが、雰囲気という“静かな力”となってにじみ出る。

あなたの雰囲気は、あなたの心がつくる。 だからこそ、今日という一日を、どんな心で過ごすかがすべてなのです。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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