スポーツメンタルコーチ上杉亮平
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外発的動機だけでは危うい?──メンタルを安定させる“内発的動機”の育て方

 

「なぜ頑張るのか?」

この問いに、あなたはどう答えるでしょうか。 「勝ちたいから」「評価されたいから」「期待に応えたいから」── こうした答えは、決して間違いではありません。むしろ、競技者として自然な感情です。

ただ、こうした動機がすべて「外発的動機」であることに気づいているでしょうか。 そして、外発的動機だけに頼ることが、メンタルの不安定さや競技人生の苦しさにつながる可能性があることも。

このコラムでは、外発的動機と内発的動機の違い、そして両者のバランスがいかに重要かを、スポーツメンタルの視点から深く掘り下げていきます。

 

外発的動機とは何か?

外発的動機とは、外部からの報酬や評価、罰などによって生まれる動機のことです。

たとえば、以下のようなものが挙げられます:

  1. 「試合に勝てば賞金がもらえる」

 

  1. 「監督に褒められたい」

 

  1. 「親に認められたい」

 

  1. 「怒られたくないから頑張る」

 

  1. 「SNSで注目されたい」

 

これらは、外から与えられる刺激によって行動を起こす動機です。 スポーツの世界では、外発的動機は非常に強力な原動力になります。 実際、短期的な成果を出すためには有効で、競争心を刺激し、集中力を高める効果もあります。

しかし、外発的動機には“持続性”という点で限界があります。

 

外発的動機はダメなのか?

結論から言えば、外発的動機は決して悪いものではありません。 むしろ、適切に活用すればパフォーマンス向上に役立ちます。 ただし、外発的動機“だけ”に依存することは非常に危険です。

なぜなら、外発的動機は「条件付きのやる気」だからです。 報酬があるから頑張る。評価されるから努力する。 つまり、その条件がなくなった瞬間に、モチベーションが急激に低下するのです。

 

外発的動機が強すぎるとどうなる?

外発的動機が強すぎる状態では、以下のようなリスクが生まれます:

 

1. 結果が出ないと自信を失いやすい

「勝てなかった=価値がない」と感じてしまい、自己否定に陥りやすくなります。

 

2. 他者との比較に苦しみやすい

「誰かより上でいたい」という動機は、常に他人の存在に左右されます。 その結果、競技が“自分のため”ではなく“誰かに勝つため”になってしまいます。

 

3. 報酬がない場面での集中力が続かない

練習や地道な積み重ねが「意味のないもの」に感じられ、継続が難しくなります。

 

4. 競技そのものが“義務”や“苦痛”に感じられる

「やらなきゃいけない」「やらないと評価されない」というプレッシャーが、競技への愛着を奪ってしまいます。

こうした状態では、メンタルの安定は難しく、競技を続けること自体が苦しくなってしまいます。

 

内発的動機とは何か?

内発的動機とは、自分の内側から湧き上がる「好き」「楽しい」「もっと知りたい」という感情によって生まれる動機です。

たとえば、以下のようなものが挙げられます:

  1. 「プレーするのが楽しい」

 

  1. 「自分の成長を感じたい」

 

  1. 「挑戦がワクワクする」

 

  1. 「もっと上手くなりたい」

 

  1. 「自分の限界を超えてみたい」

 

この内発的動機は、長期的なパフォーマンスの維持やメンタルの安定に非常に効果的です。 なぜなら、報酬や評価がなくても、行動を続けることができるからです。

 

内発的動機を育てるには?

内発的動機は、以下のような環境や関わり方によって育まれます。 これは、心理学の「自己決定理論」にもとづく考え方です。

 

1. 自律性

自分で目標を設定し、自分の意思で選択すること。 「やらされている」ではなく「自分で選んだ」と感じられることが、内発的動機を高めます。

 

2. 有能感

「できた」「成長している」と感じられること。 小さな成功体験の積み重ねが、自信とやる気を育てます。

 

3. 関係性

信頼できる人とのつながり。 「応援してくれる人がいる」「理解してくれる人がいる」と感じられることで、安心感と挑戦意欲が生まれます。

この3つの欲求が満たされることで、人は自然と内発的に動けるようになります。

 

両方の動機を持つことでメンタルは安定する

外発的動機も、もちろん力になります。 「勝ちたい」「評価されたい」という気持ちは、競技者として自然なものです。 ただ、それだけでは不安定になりやすい。

だからこそ、外発的動機と内発的動機の“両方”を持つことが理想的です。

 

外発的動機が「目標」を与え

 

内発的動機が「継続力」と「安定感」を支える

 

このバランスが取れている選手ほど、結果に左右されず、自分らしく競技に向き合えるようになります。

 

最後に伝えたいこと

「なぜ頑張るのか?」 この問いに対して、外発的な理由だけでなく、自分の内側から湧き上がる理由を持っているかどうかが、 競技人生の質を大きく左右します。

メンタルを安定させたいなら、まずは「自分は何が好きか」「何にワクワクするか」を見つめ直してみてください。 その感情こそが、あなたを長く、強く、しなやかに支えてくれる原動力になります。

競技を続ける限り、外からの評価だけでなく、自分の“好き”を大切にすること。 それが、あなたのメンタルを守り、競技人生を豊かにしてくれるはずです。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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