スポーツメンタルコーチ上杉亮平
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自分に“ありがとう”を言うだけで、集中力と心が整う

 

「感謝の気持ちを忘れずに」 そう言われることは多いけれど、「自分に感謝してる?」と問われると、答えに詰まる人は少なくありません。

日々、誰かのために頑張っている。 失敗しても立ち上がっている。 疲れていても、やるべきことをやっている。 そんな自分に、ちゃんと「ありがとう」と言えていますか?

このコラムでは、「自分への感謝(セルフ・グラティチュード)」がなぜ重要なのか、そしてそれが脳やメンタルにどんな影響を与えるのかを、科学的根拠とともに紐解いていきます。

 

「自分に感謝する」とはどういうことか?

自分への感謝とは、単なる自己肯定ではありません。 それは、自分の行動・努力・選択に対して「価値がある」と認めることです。

 

  1. 疲れていても練習に向かった自分

 

  1. 苦手なことに挑戦した自分

 

  1. 誰かに優しくできた自分

 

  1. 失敗しても諦めなかった自分

 

こうした瞬間に「ありがとう」と声をかけること。 それが、自分への感謝です。

 

「感謝一般」と「自分への感謝」の違いとは?

感謝には、大きく分けて2つの方向性があります。 ひとつは「他者や環境」に向けた感謝。もうひとつは「自分自身」に向けた感謝です。 どちらも心に良い影響を与えるものですが、その作用の仕方や深さには明確な違いがあります。

 

他者や環境への感謝とは

 

  1. 誰かの支えや優しさに「ありがとう」と感じること

 

  1. 自然や偶然の出来事に感謝すること

 

  1. 感謝の気持ちを通じて、他者とのつながりを深めること

 

このような感謝は、外に向かう感情です。 共感や利他性を育み、人間関係を豊かにしてくれます。 脳内では、セロトニンやオキシトシン、ドーパミンといった“幸福ホルモン”が分泌され、心が温かくなるような感覚をもたらします。

 

自分への感謝とは

 

  1. 自分の努力や選択に「ありがとう」と声をかけること

 

  1. 失敗しても立ち上がった自分を認めること

 

  1. 結果ではなく、過程や姿勢に価値を見出すこと

 

この感謝は、内に向かう感情です。 自己受容や自己肯定感を育て、心の軸を安定させてくれます。 他者への感謝と同様に幸福ホルモンが分泌されるだけでなく、脳の前頭前野──特に「自己評価」に関わる領域が活性化されることがわかっています。

 

科学が証明する「自分への感謝」の効果

 

① RAS(網様体賦活系)と自己肯定感の関係

脳の「RAS(Reticular Activating System)」は、私たちが何に注意を向けるかを選び出すフィルターのような役割を果たします。 自分への感謝や肯定的な自己評価を習慣化すると、RASはポジティブな情報を優先的に処理するようになり、自己肯定感や幸福感が高まりやすくなるとされています。

 

② セルフ・グラティチュードとストレス耐性

Woodらの研究(2010)では、「自分の行動や努力に感謝する習慣」がある人は、ネガティブな思考が減少し、メンタルヘルスが向上する傾向があると報告されています。 これは、自己否定を減らし、自己受容を高めることで、ストレス耐性が強化されるためです。

 

③ 自己肯定的な感謝と脳の前頭前野の活性化

「ありがとう」と自分に言う習慣は、前頭前野の中でも内側前頭前野(medial PFC)を活性化させることがわかっています。 この領域は、自己評価や感情の制御に関わっており、自分への感謝が理性的な判断力や感情の安定に寄与すると考えられています。

 

④ セロトニン・ドーパミン・オキシトシンの分泌促進

自分に感謝することで、脳内ではセロトニン(精神安定)、ドーパミン(やる気・快感)、オキシトシン(安心感・つながり)といった幸福ホルモンが分泌されることが複数の研究で示されています。 これは、他者への感謝と同様に、自分への感謝でも同様の神経伝達物質が活性化されることを意味します。

 

競技者にとっての「自分への感謝」の価値

競技者は、常に「もっとできる」「まだ足りない」と自分に厳しくなりがちです。 その向上心は素晴らしいものですが、同時に「今の自分を認める」ことができなければ、心は疲弊してしまいます。

自分への感謝は、そんな競技者の心を守る“内側からのケア”です。

 

  1. 自分を責める代わりに、ねぎらう

 

  1. 結果だけでなく、過程に感謝する

 

  1. 他人と比べるのではなく、自分の歩みに目を向ける

 

こうした視点が、競技者のメンタルを安定させ、集中力を高める土台になります。

 

自分に感謝する習慣のつくり方

 

① 感謝日記をつける

1日1行でも構いません。「今日の自分に感謝したいこと」を書き出す習慣をつけましょう。 例:「疲れていたけど、練習に行った自分にありがとう」

 

② 自分に声をかける

鏡の前や寝る前に、「今日もよくやったね」「ありがとう」と自分に言葉をかけるだけでも効果があります。

 

③ 感謝リストをつくる

週に一度、自分が頑張ったこと・乗り越えたことをリスト化してみましょう。 それを見返すことで、自己肯定感が育ちます。

 

「ありがとう」は、自分にも言っていい

人に感謝することは美しい習慣です。 でも、それ以上に忘れてはいけないのが、「自分に感謝すること」。

それは、自分の価値を認めること。 自分の努力を肯定すること。 そして、自分の心を守ること。

科学はその効果を証明しています。 幸福感、集中力、ストレス耐性──すべては「自分をどう扱うか」によって変わります。

今日から、自分への感謝を習慣にしてみませんか? それは、あなた自身があなたを支える、最も確かな方法です。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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