スポーツメンタルコーチ上杉亮平
試合で力を発揮できないあなたへ、心の土台を整える伴走者
~アスリートを自己実現へと導く~
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その“思い込み”がブレーキになる──競技者の心を支配する見えない壁

 

一見ポジティブに見える“思い込み”が、行動を止めることがある

「自分は評価されている」 「自分の意見には自信がある」 「自分はもう十分にやれている」

これらは一見、前向きで力強い言葉に聞こえます。 しかし、競技者にとってこの“思い込み”が、時に行動のブレーキになることがあるのです。

思い込みとは、過去の経験や周囲の反応をもとに、自分自身に対して無意識に抱いている前提のこと。それは自信や安心感につながる一方で、変化や挑戦を拒む“見えない壁”にもなり得ます。

 
競技者に多い「ポジティブな思い込み」の例

 

  1. 「自分はチームの中心選手だ」

 

  1. 「自分はメンタルが強い方だ」

 

  1. 「自分は試合になると集中できるタイプ」

 

  1. 「自分は評価されている」

 

これらの思い込みは、過去の成功体験や周囲の称賛によって形成されることが多く、自己肯定感を支える重要な要素でもあります。

しかし、その思い込みが“固定化”されると、今の自分を疑うことができなくなり、行動の柔軟性が失われていくのです。

たとえば、「自分はメンタルが強い」と思い込んでいる選手が、実は試合前に過度な緊張を感じていても、「これは問題ではない」と無理に押し込めてしまう。 その結果、パフォーマンスが落ちても原因に気づけず、改善の機会を逃してしまうことがあります。

 

なぜ行動の妨げになるのか

──科学的根拠から読み解く

筑波大学の研究によると、高校野球選手の自己認識が高いほど、心理的競技能力も高くなる傾向がある一方で、その認識が“過信”に変わると、競技特性不安が増すことが示されています。 つまり、「自分はできる」という思い込みが、逆にプレッシャーを生み、行動を萎縮させることがあるのです。

また、スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授が提唱する「固定マインドセット」は、 「自分はこういう人間だ」と思い込むことで、失敗や変化を避ける傾向が強まると指摘しています。 これは、思い込みが“成長の妨げ”になる典型例です。

さらに、脳科学の視点では、思い込みによって前頭前野(意思決定を司る部位)の柔軟性が低下し、 新しい選択肢を検討する力が弱まることも報告されています。 つまり、思い込みは脳の“選択肢の幅”を狭めてしまうのです。

 

思い込みをプラスに働かせるには?

思い込みは、行動の土台にもなる強力な心理的資源です。 それをプラスに働かせるためには、以下のような視点が必要です。
①「今の自分は、過去の評価に甘えていないか?」と問い直す

評価は過去の結果であり、未来の保証ではありません。 「今の自分は、今の行動で評価されているか?」という問いは、思い込みの再検証につながります。 この問いを持てるかどうかが、競技者としての成長を左右します。

 

②「自信」と「慢心」の違いを見極める

自信は行動を促しますが、慢心は行動を止めます。 「自分はできる」という感覚が、努力を止める理由になっていないか。 この違いを見極める力が、競技者としての成熟度を高めます。

 

③「変化を受け入れる柔軟性」を持つ

思い込みは固定されたものではなく、日々の経験で変化します。 「今の自分は、昨日の自分と同じか?」と問い続けることで、成長の余地を見つけることができます。 柔軟性は、競技者にとって“技術以上に重要なスキル”です。

 

④「他者の視点」を取り入れる

自分の思い込みは、時に主観的すぎることがあります。 他者のフィードバックや問いかけによって、思い込みに気づくことができます。 特に、信頼できる第三者の視点は、自己認識を深める鍵になります。

 

まずは「気づくこと」から始まる

このような思い込みの“落とし穴”に気づけるかどうかが、行動の質を左右します。 一人で気づける人もいますが、多くの場合は“問いかけてくれる存在”が必要です。

スポーツメンタルコーチは、まさにその役割を担う存在です。 選手の言葉の奥にある“思い込み”に気づき、 それが行動を妨げている可能性を丁寧に探っていきます。

「自分は評価されているから大丈夫」 「自分はメンタルが強いから問題ない」 「自分はもう十分にやってきた」

そんな思い込みが、今の行動を止めてしまっている可能性があるのです。

 

今結果が出せずに悩んでいる人へ

もし今、思うような結果が出せていないと感じているなら── それは技術や体力の問題だけではなく、 「一見ポジティブに見える思い込み」が邪魔をしているのかもしれません。

思い込みは、気づけた瞬間から変わり始めます。 そして、誰かと一緒にその前提を見つめ直してみることで、 新しい行動が生まれ、パフォーマンスが変わっていくのです。

 

その思い込みに気づいたとき、パフォーマンスは変わり始める

まずは、自分の中にある“前提”を疑ってみること。 そして、誰かと一緒にその前提を見つめ直してみること。

もし気になる方がいれば── 上杉亮平が、あなたのパフォーマンスを高めるための伴走者として、 お役に立てれば幸いです。まずは体験コーチングから。あなたの中にある“前提”を、そっと見つめ直してみませんか。

その一歩が、あなたの可能性をもう一度、動かし始めるきっかけになるかもしれません。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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