スポーツメンタルコーチ上杉亮平
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今の自分で戦うためのアンラーニング──競技者が手放すべき8つの思い込み

 

競技者として生きていると、 「もっと強くなりたい」「結果を出したい」という想いが、いつも心のどこかにある。

その想いは、あなたを前へ押し出す“陽のエネルギー”。

 

努力することを恐れず、歯を食いしばってでも前に進もうとする力。このエネルギーがあるからこそ、あなたはここまで来られた。

 

けれど、ある地点を越えると、 その“陽の力”だけでは突破できない壁が現れる。

 

練習量を増やしても結果が出ない。

 

昔のフォームに戻そうとしても、しっくりこない。

 

気合で乗り切ろうとしても、空回りする。

 

弱さを隠すほど、心が固まっていく。

 

そんなときに必要なのが、

アンラーニング(Unlearning)=「今の自分に合わなくなった思考やクセを手放すこと」

 

アンラーニングとは、 捨てることでも、否定することでも、ゼロに戻すことでもない。

むしろ逆で、“いったんゆるめる”“ほどく”“余白をつくる” そんな静かなプロセスに近い。

 

過去の成功体験や、昔は正解だったやり方が、今の自分には合わなくなる瞬間が必ず来る。 そんな壁にぶち当たった時にこのアンラーニングという言葉を思い出して欲しい。

 

なぜ、競技者にアンラーニングが必要なのか

競技者は成長が早い。

 

だからこそ、過去の正解がすぐに古くなる。

 

  1. 昔は量を積めば伸びた

 

  1. 昔は気合で乗り切れた

 

  1. 昔はこのフォームが正解だった

 

  1. 昔は弱さを見せないほうが良かった

 

でも、今は違う。

体も、心も、経験も、環境も、すべてが変わっている。

にもかかわらず、 「昔の自分」を基準にしてしまうと、成長は止まる。

アンラーニングとは、 “今の自分”で戦うための準備なんです。

 

競技者がアンラーニングすべき8つのポイント

① 昔の成功体験にしがみつく

  1. 「このやり方で勝ってきた」

 

  1. 「昔はこれでうまくいった」

 

  1. 「このフォームが自分の形だ」

 

成功体験は宝物です。

 

ただ、その宝物が“足かせ”になる瞬間がある。

成功体験はアップデートしていくものであって、過去の正解は未来の正解ではない。

 

② 努力=量だと思い込む

量を積むことは大事だけれど量だけではどうにもできない時期がくる。

 

  1. 疲れてもやり続けて休むことに罪悪感が出てくる。

 

  1. 「もっとやらなきゃ」と自分を追い込む。

 

これは陽の選手に多いクセだ。

アンラーニングすべきは、「量を積めばなんとかなる」という古い価値観。

 

③ 自分の弱さを隠すクセ

  1. 不安を言えない。

 

  1. 調子の悪さを隠す。

 

  1. 弱さを見せると評価が下がると思う。

 

弱さを認めることは“改善の入り口”になる。

 

隠すほど、メンタルは固まり、伸び悩む。

アンラーニングすべきは、「弱さ=悪い」という思い込み。

 

④ 固定化したフォームや技術

  1. 体が成長しても昔のフォームのまま。

 

  1. 怪我前の動きを無理に再現しようとする。

 

  1. 変えることに抵抗がある。

 

  1. 技術は“更新”が必要だ。

 

アンラーニングは、古い動きを一度ほどく作業。

 

⑤ 自分を追い込みすぎるメンタル

  1. 気合で乗り切る。

 

  1. 自分に厳しすぎる。

 

  1. 休むことに罪悪感がある。※②と同様。

 

アンラーニングすべきは、 「追い込む=正義」という価値観。

 

⑥ 他人の評価に左右される思考

  1. コーチや監督の言葉で一喜一憂。

 

  1. チームメイトの視線が気になる。

 

  1. SNSの反応で自信が揺れる。

 

アンラーニングすべきは、 「評価が自分の価値を決める」という誤解。

競技者に必要なのは、 “自分の基準”を育てること。

 

⑦ 「こうあるべき」という固定観念

  1. もっと強くなきゃ。

 

  1. もっと結果を出さなきゃ。

 

  1. もっと完璧じゃなきゃ。

 

こうした“べき思考”は、心を固めてしまう。

アンラーニングすべきは、「理想の自分像に縛られるクセ」。

 

⑧ 怪我前の自分を基準にする

  1. 「前はできたのに」

 

  1. 「昔の感覚に戻したい」

 

怪我明けの選手が最も苦しむポイント。

アンラーニングすべきは、 「過去の自分を基準にすること」

 

今の体での“新しい自分”を作る必要がある。

 

アンラーニングの具体的な方法

ここからは、実際に選手が取り組めるワークを紹介していきます。

 

① “今の自分に合わないクセ”を書き出す

紙に3つ書くだけでいい。

 

  1. 量をやらないと不安

 

  1. 弱さを隠すクセ

 

  1. 昔のフォームに固執する

 

  1. 結果で自分の価値を決める

 

書き出すことで、 “手放すべきもの”が見えてくる。

 

② いったんやめてみる チャレンジ

1週間だけ、ひとつのクセを「いったんやめてみる」

 

  1. 練習量を10%減らす

 

  1. 朝のルーティンを変える

 

  1. 弱さを隠さず話す

 

  1. 昔のフォームを封印する

 

「やめる」ではなく、 “いったんやめてみる” がポイント。

これだけで、新しい感覚が入ってくる。

 

③ “体の声を聞く”3分ワーク

練習前に3分だけ、 呼吸・姿勢・力み・体の重さを感じる。

頭の「こうすべき」を静めると、 体が“今の正解”を教えてくれる。

 

④ “昔の自分を基準にしない”ワーク

紙に2つ書く。

 

  1. 昔の自分

 

  1. 今の自分

 

そして、 「今の自分に合うやり方」を1つだけ選ぶ。

これができると、選手は一気に伸びる。

 

⑤ “弱さを言語化する”ワーク

ノートに1行だけ書く。

 

  1. 「いま本当は何が不安?」

 

  1. 「何が怖い?」

 

  1. 「何を隠している?」

 

弱さを認めることは、 新しい自分をつくるための余白になる。

 

⑥ “情報を減らす”デトックスワーク

1日だけ、SNSや技術動画を見ない日をつくる。

外の声を減らすと、内側の声が戻ってくる。

 

⑦ “新しい動きを試す”ミニ実験

練習の最後の10分だけ、 新しいフォーム

 

新しい感覚を試す。

アンラーニングは、古い動きを壊すことではなく、新しい動きを“試す余白”をつくること。

 

アンラーニングは「弱さ」ではなく“進化のプロセス”

アンラーニングは、 努力を否定することでも、 過去を捨てることでもない。

むしろ──

過去の努力を土台にして、次のステージに進むための“整える作業”

陽の努力だけでは越えられない壁を、陰の引き算で突破する。

それは、禅の考え方にも近い。 余白をつくり、静けさの中で本質に触れる。

 

“いったん止まる”ことで、また動けるようになる。

アンラーニングとは、 自分を更新し続けるための静かな挑戦。

 

最後に──“今の自分”で戦うために

競技者は、常に変化している。 だからこそ、過去の自分を手放す勇気が必要だ。

アンラーニングとは、自分を否定することではなく、自分をアップデートすること。

 

ゆるめる。

 

いったんやめる。

 

今の自分を基準にする。

 

その積み重ねが、あなたを次のステージへ連れていく。

そしてそのプロセスこそが、 競技者としての“しなやかな強さ”を育てる。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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