スポーツメンタルコーチ上杉亮平
~アスリートを自己実現へと導く~
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イチローの言葉に背中を押されて―“挑戦する自分”を信じる理由

 

「現状維持が嫌い、できるだけ無理したい」

――ホメオスタシスに抗う生き方を選ぶ理由

「これくらいでいいか」と思える自分が、少し怖いときがあります。 年齢を重ねるほど、経験が増えるほど、“無理をしなくても済む”場面が多くなる。 だからこそ、あえて“できるだけ無理したい”と思ってしまう自分がいる。

無理をしてでも、挑戦している姿。 誰かに見られていなくても、昨日より深くやり込んでいる自分。 その姿にしか、誇りを感じられない瞬間があります。

最近、イチロー選手のある言葉に出会いました。

「現状維持が嫌い、できるだけ無理したい」

それは、まるで自分自身に言われているような気がしました。 この言葉を軸に、自分がなぜ“挑戦を選びたいのか”を改めて整理してみたいと思い、今回のコラムを書きました。

 

やり込む自分が好き――挑戦する姿勢こそ、アイデンティティ

私はこれまで、競技でも仕事でも、“やり込みたい”という気持ちを大切にしてきました。 そして、そのやり込んでいる自分に、どこか誇りと心地よさを感じています。 ただ課題をこなすのではなく、“無理かもしれないことに向かっていく姿勢”そのものに価値があると思っています。

人は年齢を重ねるにつれて、「無理はしない方がいい」「今のままでいた方が安心」という空気に包まれやすくなります。 自分もそうした空気に染まりそうになる瞬間があります。 だからこそ、心の奥ではこう思うのです。

「現状維持だけでいいと思える自分では、いたくない」

 

ホメオスタシス──人はなぜ“変わらないこと”を望むのか?

人間にはホメオスタシス(恒常性)という働きが備わっています。 これは、身体や心の状態を一定に保とうとする力で、生存に必要な反応でもあります。

 

  1. 体温が上がれば汗をかいて冷やす
  2. 不安定な感情は安定に戻ろうとする

 

この働きは、安心や安全にはつながりますが、挑戦する生き方においては“見えない壁”となることがあります。

新しい挑戦 > 未知の環境 > 変化への一歩

これらに対してホメオスタシスは「やめた方がいい」「今のままで十分」「傷つくかもしれない」と囁いてくる。 つまり、「挑戦したくない気持ち」の正体は、心理的な生存本能でもあるのです。

 

それでも私は“無理をしたい”

ホメオスタシスの存在を理解したうえで、それでも私は「無理をしたい」と思っています。 なぜなら、“無理をしたからこそ得られた瞬間”が、自分を支えてきたからです。

 

  1. 限界に挑んだ先でしか得られない達成感
  2. 乗り越えたことでしか築けない自己信頼
  3. 誰かに影響を与えられたという感覚

 

無理をするというのは、「苦しむため」ではありません。 それは、“自分に立ち返るための挑戦”なのです。

> できるか分からないことに、今日も向き合う >その姿勢だけが、自分らしさをつくっていく

 

ホメオスタシスに抗うためにできること

無理をしたいと思っていても、勢いや気合だけでは続かない。 だからこそ、“挑戦し続けるための習慣”が必要です。

微差の挑戦を続ける

昨日より少しだけ前に進む→ 小さな成功体験が積み上がり、抵抗が弱まる

 

 “やり込んでいる自分”を記録に残す

言葉・映像・行動で挑戦を可視化する→ 「挑戦する自分=好きな自分」という感覚が強まり、継続しやすくなる

 

周囲の“現状維持マインド”を疑ってみる

「それは誰の価値観?自分は本当にそう思っている?」と問い直す→ 社会的安心感に流されず、自分の軸を守れる

 

 無理をすることは、“自分で生きる”という選択

挑戦し続ける人は、年齢に関係なく輝いています。 それは、“できる自分”ではなく、“挑戦する自分”を大切にしているから。 他人に認められるためではなく、自分を好きでいられるために、無理をする。

自分で選んだ無理には、ちゃんと意味がある。 その意味がある限り、人は何度でも立ち上がれる。

 

最後のメッセージ

現状維持に安心する人もいる。だからこそ、私は不安定でもいい。傷ついてもいい。それでも、挑戦している自分の方が、ずっと“好き”でいられるから。無理をすることに、意味がある。それは、誰かに認められるためではなく――  自分が、自分を信じ続けるため。

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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