“当たり前”の価値に気づく時—戦争と飢えを乗り越えた90歳の教え

1. 戦争が奪った「当たり前」
90歳のおばあちゃんが小学校4年生だった頃、戦争が始まりました。通学中に空襲警報が鳴ると、すぐに避難しなければならず、学校に行けてもすぐに帰宅する日々。スポーツに取り組めるなんてもっての他、通学や通勤ができること自体が、どれほど特別なことかを教えてくれる経験です。
以前のコラムで触れた「練習や食事ができること自体が特別だ」という考え方は、まさにこのおばあちゃんの体験が裏付けています。彼女が「通学ができない時代」を生きたことは、私たちの「日常の価値」を再確認させてくれます。
今、当たり前と思っていることは何ですか?
空襲警報のたびに避難を余儀なくされた彼女の体験は、日々の通学や通勤がどれほどの幸せであるかに気づかせてくれます。
2. 戦後の飢えと感謝の心
戦後、食材自体が不足し、ご飯を食べられることすら「当たり前」ではありませんでした。その中で育まれた彼女の日課は、寝る前に必ず「今日も元気で無事に過ごせたことに感謝」と口にすること。
日々の小さな感謝を見つける力は、以前のコラムでも取り上げましたが、おばあちゃんの習慣はその具体的な実践例です。「今日無事でいられたこと」への感謝が、彼女の心を安定させ、メンタルを支える習慣となっているのです。
改めて、食事や健康を「当たり前」と思わず、感謝する時間を持っていますか?
彼女の習慣は、今の私たちに「感謝を日常化する」ヒントを与えてくれます。
3. アウシュビッツ生存者たちとの共通点
極限状態の中で生き抜いたアウシュビッツ収容所の生存者たちも、90歳のおばあちゃんと同じように「小さな感謝」を持ち続けたと言われています。わずかな食事や短い休息の時間に感謝することで、生きる希望を失わずに済んだのです。
ヴィクトール・フランクルの教え
精神科医でありアウシュビッツの生存者であるヴィクトール・フランクルは、「人生に意味を見出すことが、どんな苦難も乗り越える力になる」と述べています。おばあちゃんの日々の感謝も、まさにこの考えと重なります。
4. 感謝がメンタルを強くする理由
「当たり前」と感じることを改めて見直し、感謝の心を持つことが、心の強さを育てます。それは、過去の困難を受け入れ、今を大切に生きる力を与えてくれるのです。
以前のテーマの繰り返しと深化
「日常に隠れた幸せ」を見つける感謝の心は、心の余裕を生み出し、ストレスを軽減する効果があります。以前触れた「当たり前を疑う力」は、感謝が持つメンタル強化の鍵であることを改めて実感させます。
最後のメッセージ
このコラムは、以前の「アスリートが成長する鍵—『当たり前』を疑い感謝を力に変える」の延長線上にあります。90歳のおばあちゃんの体験やアウシュビッツ生存者たちのエピソードを通じて、「当たり前」に感謝する心が、メンタルの強さや幸せを引き寄せる力になることを再確認しました。
あなたの日々の中にも、必ず感謝できることが隠れています。少しだけ目を凝らし、心を向けることで、今この瞬間の価値を見出してください。それが未来のあなたの力となり、どんな困難にも立ち向かうエネルギーを与えてくれるでしょう。応援しています!