競技の瞬間をともに感じる——スポーツメンタルコーチの現場主義

パーソナルで見ている弓道選手の試合を観に行った。
今回の試合は「遠的」。これまで近的は見てきたが、遠的は初めてだった。
競技の緊張感、矢が放たれる瞬間の静けさ——その場の空気は、ただ観るだけでも心を揺さぶるものがある。
選手を支える立場として、自分は 「現場主義」 だ。 選手から頼まれなくても、選手が観られて大丈夫であれば、スケジュールが合う限り試合会場へ足を運ぶ。 なぜなら、選手の目で世界を見たい から。
競技を知ることは当然のこととして、その選手がどんな場所で、どんな雰囲気の中で試合に臨んでいるのか を感じることが重要だ。 「試合会場はどんな空間なのか?」 「試合の流れは?空気は?その場の緊張感は?」 そうしたことを実際に目の前で見ておくことで、選手から報告をもらったときの理解度が大きく変わる。
たとえその場で選手と会話できなくても構わない。その空気を「共に感じる」ことが大切だからだ。
スポーツメンタルコーチとして、選手が置かれる環境を知ることは不可欠 だと思う。 試合の結果はもちろん重要だが、それ以上に大切なのは「選手がどんな心境でその場に立っているのか」。 だからこそ、現場へ向かい、自分の目で、肌で、空気を感じる。
このコラムを通して、少しでも 「競技をともに感じることの価値」 が伝われば嬉しい。 スポーツは、ただ技術を磨くだけではなく、その場をどう受け止め、どう向き合うか——それがすべてに繋がる。
コラム著者