スポーツメンタルコーチ上杉亮平
~アスリートを自己実現へと導く~
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“好き”は最強のエンジンになる──競技を続けるすべての人へ

 

「最近、“好きで競技をやれてる”って言えなくなってきたかも──」 そんなふうに感じているあなたに向けて、 このコラムでは「好き」という感情がパフォーマンスに与える影響や、 競技を続ける力になる“心のエンジン”の整え方をお伝えしています。 読むことで、少しだけ自分の気持ちが整理されて、 “またもう一度向き合ってみよう”と思えるきっかけになるかもしれません。

 

あなたは、自分が取り組んでいる競技を今でも心から「好き」だと言えますか? この質問に即答できない人もいるかもしれません。競技を始めた頃の純粋な情熱が、いつの間にか義務感やプレッシャーに押しつぶされていることがあります。しかし、「好き」という感情は、競技に取り組む上で最強のエネルギー源となります。

科学的研究も、「好き」であることがパフォーマンス向上に大きく寄与することを示しています。心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンが提唱した自己決定理論によれば、人は自己の内発的動機、つまり「楽しいからやる」「好きだからやる」といった動機づけを持つ場合、継続的な努力と高いパフォーマンスを発揮しやすいと言われています。一方、外発的動機、つまり「誰かに認められるため」や「周囲の期待に応えるため」だけで行動している場合、ストレスや燃え尽き症候群に陥りやすいとされています。

 

好きでやる人とそうでない人の差

「好きだからやる」人は、競技の中で楽しさを見つける名人です。彼らは挑戦を前向きに捉え、挫折さえも学びの機会と捉えます。その結果、努力が苦痛ではなく充実感を伴うものとなり、長期的な成長を手にします。

また、ポジティブ心理学の研究によれば、情熱やポジティブな感情は、ストレスに対する耐性を高めるだけでなく、集中力や注意力を向上させることがわかっています。たとえば、「楽しさ」を感じながら練習をしている選手は、長時間集中し続ける能力が向上しやすいことが示されています。

一方、「好きではないが続ける」人はどうでしょうか?義務感や他人の期待だけで競技を続ける人は、壁にぶつかった時に簡単に挫けやすくなります。なぜなら、心の根底にある「好き」という支えがないからです。その差は練習への取り組み方や試合での集中力に明確に現れます。

 

好きでいられるためにできること

競技を好きで続けるためには、あなた自身が何を大切にしているのかを見つめ直す必要があります。以下の3つのステップを活用してみてください:
  1. 「好き」の原点を見つめ直す

初めてその競技に触れたとき、何に夢中になったのかを振り返ってみましょう。その頃の気持ちを思い出すことで、競技への情熱を再び燃え上がらせるヒントが得られるはずです。

 

  1. 目標を自分で設定する

周囲の期待ではなく、自分自身が心から達成したい目標を定めてみてください。例えば、「自分史上最高の記録を作る」や「練習の中で毎回新しい発見をする」といった具体的な目標が挙げられます。

 

  1. 小さな「楽しい」を見つける

毎日の練習の中で、「今日はここが上手くいった」「今日は少し長く集中できた」という小さな成功に目を向けることも大切です。それが積み重なれば、競技に対する愛着が戻ってきます。

 

競技を「嫌い」に感じるときは?

もし今、競技に対して疲れや嫌悪感を抱いているなら、それは単なる心のサインです。無理に押し進む必要はありません。むしろ、一度競技から距離を置き、自分の心と向き合うことが未来のためになる場合もあります。時には休むことが、次の挑戦へのステップとなるのです。

さらに、脳科学の研究では、適度な休息が脳の回復を促し、次に向けた意欲や創造性を高めることが示されています。言い換えれば、疲労がたまった状態で競技を続けるよりも、リセットの時間を取る方が結果的にパフォーマンスが向上します。

 

最後のメッセージ

「好きでいること」は、競技の成功において最も大切な鍵です。好きでいればいるほど、困難な瞬間にもその情熱があなたを支え、次のステージへと導いてくれるでしょう。 迷いや苦しさを感じた時には、自分にこう問いかけてみてください。「私は本当にこの競技を好きでやれているだろうか?」その問いへの答えが、あなた自身の進むべき道を教えてくれます。好きでいることが成長のエンジンになり、真の成功へと繋がる道を切り開くのです。

もし、まだその答えが見つからないと感じても心配はいりません。心の声に耳を傾け、日々の小さな成功を楽しんでください。それが競技を愛し続ける力となり、あなたをさらに強くしてくれるのです。

コラム著者
プロスポーツメンタルコーチ上杉亮平
全てのアスリートが競技を楽しみ、自分らしさを輝かせる世界を創る。ことを目指し
「メンタルで視点(せかい)が変わる」この言葉胸にアスリートを自己実現へと導くサポートをしています。詳しくはこちら

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