競技力を決めるのは技術だけじゃない
『上手い選手』と『強い選手』の本質的な違い

1. 上手い選手とは?
「上手さ」とは、技術的な精度や優れた動きに現れるものです。 そのプレーは美しく、観客を魅了し、まるで完璧に見えることもあります。
たとえば、ゴールを正確に決めるサッカー選手や、見事なフォームで投球を行う野球選手。 これらの「上手さ」は長い時間をかけて磨かれた技術の結晶です。
しかし、技術の高さだけでは試合で勝ち続けることは簡単ではない場面が出てきます。
- 予期せぬ困難が訪れたときに、その技術が十分に発揮されるか?
- プレッシャーの中で「自分の力を出し切る」ことができるか?
- 試合が思い通りに進まないときに、どう立て直すか?
技術の精度だけでは競技力は不十分であり、そこに「強さ」が加わることで、本当の勝負の場で力を発揮できるのです。
2. 強い選手とは?
「強さ」とは、技術以上のものを含む力です。 それは逆境や試合中のプレッシャーにも動じず、最大限のパフォーマンスを発揮する精神力です。
井上康生さんの「初心に戻る強さ」
柔道日本代表監督・井上康生は、大学時代にスランプに陥りました。 試合で勝てず、さらに母親の死という大きな悲しみが重なり、精神的に追い込まれた時期がありました。
しかし、彼を救ったのは母親が生前に書き残した手紙でした。 そこには「初心に戻って頑張りなさい」と書かれていました。
この言葉を胸に井上は再び立ち上がり、世界選手権で優勝を果たしました。 技術だけではなく、精神的な強さがあったからこそ、彼は再び世界の頂点に立つことができたのです。
3. 上手さと強さの違いを知る価値
競技において、「上手くなる」ことを目指すのは自然な流れです。 しかし、真の競技力を手に入れるためには、「強さを整える」努力が不可欠です。
「上手さ」と「強さ」の違い
- 「上手さ」=技術的な精度やスキルの高さ→ 選手の見た目のパフォーマンスを決定
- 「強さ」=プレッシャーの中でパフォーマンスを維持し、最大限の力を発揮する精神力→ 競技者としての本質的な力
強さを整えることで、技術がさらに輝きを増し、競技者としての真の力を発揮できるようになります。
4. 強さを整えるためにできること
「強さ」は鍛えるものではなく、日々の習慣によって整えることができるものです。
強さを育てるための具体的な方法
- 試合ごとの「心の準備」をルーティン化する → プレッシャーの場面で落ち着きを保つ習慣を身につける
- 困難な状況を想定し、対応策を事前に考える → スランプや予期せぬ状況に対する精神的耐性をつける
- 失敗や挫折を「学び」に変える意識を持つ → 失敗を恐れず、前に進む姿勢を身につける
このように、強さは一朝一夕で身につくものではなく、日々の積み重ねによって競技者の中に育っていくのです。
5. 最後のメッセージ—競技力を高めるために
「上手い選手」だけでは、勝負に勝ち続けることはできない。「強さ」を整えることでこそ、技術が本当の力になる。
あなたにとって「強さ」とはどのような力でしょうか? その力を育てるために、今日からできることは何ですか?
ただ、この強さは一朝一夕では身につきません。 自分の内面と向き合い、整え続けることで徐々に築かれていくものです。
そのための道のりを一緒に歩む存在として、スポーツメンタルコーチがいます。 あなたの可能性をさらに広げるきっかけとして、ぜひ活用してみてください。
一人では見つけにくい「本当の強さ」を、一緒に探していきましょう。 あなたの挑戦を心から応援しています!
コラム著者