表彰台に上がったのに嬉しくない?スポーツメンタルの本質

先日、パーソナルでサポートしている選手が過去最高記録を更新し、初めて表彰台へ上がった。さらに国体の選抜選手にも選ばれ、目に見える成績の向上があった。 この報告を聞き、素直に「おめでとう!」と喜んだ。しかし、選手自身は思ったほど嬉しそうではなかった。むしろ、私の方が興奮していたくらいだ。
理由を聞いてみると、こう返ってきた。 「確かに順位は上がった。でも1位じゃない。選考会では思うような結果が出せず、満足できていない。」 「もっとこうすれば良かった」「もっとできたはずだった」 結果が向上しても、心の中には悔しさが残っていた。
このエピソードから伝えたいこと。
上を目指し続けると、喜べない人生になる?
目標を持ち、成長を求めることは素晴らしい。ただし、結果だけに焦点を当てすぎると、永遠に満足できない人生になりかねない。 どんなに成績が向上しても、「もっと上がある」と思えば、それがストレスとなる。そして、成功を実感することなく、次へ次へと追い求める状態が続く。
だからこそ、できなかったことではなく、できたことに目を向けることが重要だ。
- 過去最高記録を更新できた
- 表彰台に上がるという新たな経験を得た
- 次の目標に向けた課題が見えた
成功や成長を認めることで、メンタルが安定し、次の挑戦に向かうモチベーションが高まる。
だからこそ喜べるときは素直に喜んでほしい。そうする事で自己効力感も高まってくる。
自己効力感が高まるとどうなる?
ここで重要なのが「自己効力感」。自己効力感とは、「自分はできる」と思える感覚のことで、スポーツに限らず人生の成功に大きく関係する。
自己効力感が高まると
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挑戦する意欲が増す → 高い目標でも「自分ならできる」と信じられる
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精神的な安定につながる → 失敗があっても落ち込みすぎず、学びに変えられる
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継続的な努力ができる → モチベーションが維持され、練習の質が向上する
一流アスリートほど、この自己効力感を持っている。彼らは失敗を「成功への過程」と捉え、小さな成長を積み上げながら前進しているのだ。
小さな成功を認める習慣を持つ
競技スポーツの世界では、勝負は明確に「結果」で決まる。しかし、結果だけを評価するのではなく、その過程に価値を見出すことが大切だ。
- 練習でできなかったことが1回でも成功した
- 昨日よりタイムが0.1秒でも縮んだ
- 試合で新しい戦略を実践できた
このような「成長の証」を認識することで、自然と自己効力感が高まり、自信につながる。そうすれば、次のステージでさらに良い結果を出せるようになる。
まとめ:成功の本質とは?
スポーツにおいて結果を追い求めることは重要だ。しかし、結果だけに固執すると、満足することなく、永遠に成功を感じられない状態が続く。 だからこそ、「小さな成功を認め、自己効力感を高めること」が、最終的な成長につながる。
結果を手に入れたとき、素直に喜べること。その経験が自信を築き、次のステップに進む力になるのだ。 これを意識することで、競技だけでなく、人生においてもより充実したものになっていくだろう。
コラム著者